絵画
月明かりが照らす
青白い肌と
際だたせる影
駆り立てられた感情の
名前を知りつつ目を背けた
大きな瞳も
饒舌な嘘も
危うさと共に
美しさを濃厚にして
つないだ手の意味を捻りかける
無機的だとおびえた誰かの声は
とうの昔に鼻で笑った
本音を取り繕った跡は
誰の物にもするつもりはない
時間を壊すほど
夢中になって
溺れて
なにも見えないよう
ただひとり立ち尽くし
移り変わる
世界に
映えて捕らえて離さない
時間を壊すほど
この身に溶け
閉じこめて
二人が二人になるように
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