筆圧


あなたの何気ない文字を
まぶたの裏に刻む
手元に置くつもりの
紙片を
いつまでも握り締めて

あなたの口から漏れ出て
声と声に挟まれた
苦味だらけな愛が
無骨に
残りそうで掻き消えていく


祈るようにすり込む
字のかすれとクセ
声は遠い
声は遠い
遠くて拾えない

形を辿る度に
作り変わる声
あなたじゃない
あなたじゃない
時間は遠のいてゆく


[ 131/137 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

↓サーバー広告↓
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -