水便り

流れてくる
灯がともった箱を
見送って
佇んでいるのは
もう長い時の中

浸されている
両足の感覚は
なくなって
水に手を伸ばし
その呼吸を探った

愛しい君よ
言葉も温もりも
いらないなどと思って
ないけれど
繰り返し終わりの日に込めて
流される愛に

応える口も
瞳も両腕も
なくして見つからないまま
押し流れる
川の気まぐれしか望めない
僕など忘れて

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