朧月

月が溶ける夜更けに
音を立てて
落とした灯り
瞼に残る

電源を切った後の
テレビの音
余韻が切なく
瞳に響き

篭もりがちな感情は
誰にもあげられない
それでいい
夜の静けさに甘えて
シーツにもぐる音と
一緒くたにしよう


そろそろいい時間
湿った夜風に洗わせて
夢に飲み込まれて今日は
これでおしまい

ぐらつきが不安で
眠れなくても構わない
シーツに息苦しくなって
もらえばいいさ

日付も変わる頃
まだ押しつぶされそうなら
寝返りを繰り返してみて
そう 何度でも


時の風が凪いで
寝心地のいい疲れに
どろりと浸かって混ざるはず
月色の雲に

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