役命

終わりを突きつける
まっ暗闇に
唇を噛み締めた
名も無きひとり

勇者と呼ばれた彼の
肌より深い
生傷を知らずに
景色が蘇る

同じ台詞が
口をついて出る事を
涙の意味も
掠れてゆく痛みも
思い出させてくれない

空は泣く
空は泣く
涸れた水を染み込ませて
リロードの合図とともに
もうひとつ死を迎える

空が染まる
空が染まる
いくつ目かの別れの言葉
ゲームオーバーの綴り
目を背けるように笑う

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