あおいそら


待つことは
嫌いじゃない

けだるげに仰ぐ
あの人は
悲しげに微笑み
撫でながら呟いた

思い出せる
景色たちは

いつだって青く
澄み渡り
ときおり向く目と
物言わぬ顎と手


ほら見て
冷たい土にも
あんなにも降り注ぐ陽

埋まらぬ
孤独の隙間は
約束さえも色を奪い

ほら見て
力無い尾っぽは
あなたを待ち丸まって

終わらぬ
逢い引きの契り
空と犬とひとつの家に落ちる


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