海市


行く宛てを照らす
光を求め
凍てつく海へと
飛び込んだ

重く沈む体を穿つ
あなたの声が
流れ込む群青に
掻き消されて

わたしを埋めつくす
雪の花を混ぜながら


眠れない
眠れない
空も堕ちてこない
いくつ瞼を閉じ開けたら
あの花が咲くの

聞こえない
聞こえない
無数のあぶくに塗れ
まだ来ぬ生温い季節の
幻を抱き沈む



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