嘘の楽園


潰れた声と
爛れた顔に
怯える事を忘れた
人形の街で

誂えられた
意味は隠れ
皆かえり眠る
硝子の箱に

筒抜けになるより
汚らわしい
愛の衝動が
毛ほどの管の中
蝋のように
固まるのも厭わず


虚ろに咲き狂え
枯渇に悶え苦しみ
かさついたそのリボンに
散るまで吐息を
預ける 花のように

美しい指先から
清らかに込められた
留めとなぶりを受け入れ
須らく手折られ
終わるの 打ち捨てられて



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