せなか越し


ふと気がついたんだ
あなたの肩の強張り
力みきった心に

無理に張り詰めている
細い細い糸のように
切れそうになっている


形はなくてもいい
手探りのほうがリアルでしょう?


みっともなさも さらけ出して
堕ちゆくのもいいだろう
不快感さえも ぶちまければいい
愛の言葉もいらない

もうたくさんだと 怒鳴りちらして
枕の中の羽を撒き散らす
そうして不満を たたき付けても
抱きしめる腕があるから



どす黒い世界の渦の中で
わたしを照らしたのは
そうあなたの深い闇の中の
確かな青く強い光



みっともなさも さらけ出して
堕ちゆくのもいいだろう
不快感さえも ぶちまければいい
愛の言葉もいらない

薄汚い世界が 蔑み倒しても
この手を導いたのは あなた
血に塗れた その大きな左手で
愛の言葉を綴れ 綴れ

責めの言葉を あなたが吐いても
あなたはあなたを 壊すだけ
あなたが あなたに言えないのなら
私が紡ごう囁こう言葉を


あなたが望まなくても
嗚呼……嗚呼……
不快感さえも 快感に変えればいい
抱きしめる腕はあるから

みっともなさも さらけ出して
堕ちゆくのもいいだろう
不快感さえも ぶちまければいい
愛の言葉もいらない



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