夢月
近くで君が叫んでいる
「僕らの目指したものはなんですか」
答えられないまま踏み出した
遠くで君がぼやいている
「なんかちょっと違う気がする」って
頷き返せないまま目を逸らす
殺すといいよこんな人
どれもこれもが僕だけど
硝子が割れるような
美しい音を
繰り返して世界は
何度でも
壊れて幻を作り続けてる
素肌を剥ぎ取るような
悲惨な痛みを
止められないままに
何度でも
君を幻へ投げ捨てる
痛覚はここですよ
示す指で
妖艶に欺いて
何度でも
君を幻に投げ捨てよう
朧な悲鳴を上げて
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