月影


迷い始めている
紡ぐ言葉と言葉の間を
計りかねている横で
時間がまた走り抜けた

選び損ねたのは
僕の姿と幻影のどちらか
向けられた視線を見て
うわべだけの威勢が膨れる

あなたは知っているんですね


満ちた嘘を見ないで
型はここにある
手を伸ばし
覗いたそこにあるものが
僕は僕だと叫べない

欠けた光を受け入れて
型はここにある
瞼に焼き
目でちぎったその装いを
飲み下せないとしても



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