旅の終わり
闇から抜け出す
話があって
僕はその本をなんとなく
手に取った
物語は進み
無事に終わり
ページをめくっていた手が
固まる
幸せな終焉を迎えた本は
幾多の人々の綺麗な声に祝福され
幸せな出生を迎えたのに
膨れ上がってきたこの僕の想いは
濁った不満に満たされていた
刻んで欲しい
歪んで欲しい
光がどんなに儚く
遠いのかを思い知らせて
汚れて欲しい
笑って欲しい
その世界の中で
渦巻けもっとえげつなく
願わくは最悪と背中合わせな
終わりを見せて
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