圧縮図



人という括りに
隔たりを作る誰かの
後ろ姿も知らないまま
僕らは名付けられた

踏む土と境と
流行りの波に揉まれて
皺だらけな産声を捨て
涙も忘れたんだ

この階段を上がった先にある
空気と溶け合い終える場所に
焦がれ 誘われ 引き止められるまま


髪を一つ引くのは
心を揺さぶるのは
括られた僕らの呼吸

名前をすべて消して
地図も知らない時代
巻き戻しても愛せない

堅物な世界に僕らは
どうして生まれたんだろう

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