片割れのグラス



グラスが割れる音が響き
紫苑色の液が広く飛び散る

強張る私に歩み寄る
あなたの苦笑いが肩を抱いた

飴細工のように煌めき
紫苑に透けて混ざる破片は
掃くほど美しくなるようで
あなたが手に取り選んだ日を
私に思い出させた


あなたの死を
受け止める時
あなたを想い描くよりも
他の誰かの死が
掠めることが
あるならそれも
あなたの死なのだろう

あなたの死を
受け入れる時
あなたを想い描くよりも
他の誰かの死が
掠めることが
あるならそれも
あなたの証としよう

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