4.セクハラ兄ズ×ルフィ妹


ペロンっ

「ぎゃあ!」
「ぎゃあって・・・おっまえ色気がねぇな」
「え、エース兄! 何すんの!」
「んな短いスカート履いてっからよ、ちゃんと下履いてんのか確認」
「聞けばいいでしょ、聞けば!」

エース兄の部屋の入り口前で立っていたら急にスカートをめくられて振り返れば、そこにはエース兄の姿。
平然とした顔して言い放つってどうなの。

「ってか、何赤くなってんだよ・・・」
「スカートめくられれば、赤くもなるよ!」
「今更だろ・・・」
「今更とか言わない!」
「エース!」
「あ」
「リツも!」
「おかえりなさい。お兄ちゃん」
「おう、ただいま!」
「お前ら、ここはおれの部屋・・・」
「ん? リツどうかしたのか? 顔、真っ赤だぞ?」
「ちょっと、エース兄が・・・」
「エース? リツになんかしたのか?」

無視かと呟くエース兄を放置して、お兄ちゃんに訴えかければお兄ちゃんが首をかしげながらエース兄を見る。

「あーまぁ、大したことじゃねぇ」
「んぁ?」
「スカートめくっただけだ」
「なんだ」
「お兄ちゃん・・・」

うん、なんとなく判ってた。
お兄ちゃんはそういう人だよね。

「ぎゃあ!」
「にしし! あったかそーだな」
「めくるな!」
「エースがめくったんだから、おれだっていいじゃねぇか」
「エース兄にも許してないし、いちいちめくらないで!」
「なんでだ?」
「なんでって・・・恥ずかしいから?」
「? リツの下着なんか、見慣れてるぞ?」
「そうじゃない、ってかなんで」
「庭に干してるからな、丸見えだ」
「だとしても見慣れないでよ!」
「にしし」
「誤魔化すな!」

よく判らない理由で、身内にスカートをめくられるとか。
なんなの。親の顔が見てみたい・・・って同じなんだよね。
呆れ交じりにがっくりすれば、エース兄が思い出したように言う。

「・・・そういやリツ。おれに用があって来たんじゃねぇのか?」
「あ、そうだよ。もう、エース兄がスカートめくるから忘れかけたじゃん」
「おれのせいか?」
「そうですー。ったく」
「へいへい。おれが悪かったよ」
「・・・それ、ずるい」

目じりを下げて笑って、宥めるように頭に手を乗せられたら許さざるを得ないじゃん。

「ん?」
「なんでもない。エース兄っていうか、お兄ちゃんに用があって来たの」
「ルフィに?」
「うん。はい、お兄ちゃん。着替え」
「おう! ありがとな!」
「な・・・ルフィ?」
「なんだ? エース」
「お前、今日も泊まってくのか?」
「今日だけじゃねぇぞ?」
「・・・いつまで」
「サボが居る間は泊まる!」
「おれに相談なしでか」
「いるのか?」

ガツン!

「ってぇ〜〜〜!」

エース兄の拳骨を受けたお兄ちゃんが頭を押さえる。
あーいつもの光景だなぁ。

「ジジイ、いんの?」
「おじいちゃん? いないよ?」
「おじさん達、アメリカだよな」
「うん」
「・・・一人か?」
「お兄ちゃんがエース兄のところに泊まってる間はね」
「はぁ・・・お前もこっち泊まれ」
「え?」
「おれらからすりゃ、ちんちくりんな妹だけどよ」
「女の子が一人で留守番は危ないよ?」
「サボ・・・」

後ろからかけられた声にびっくりしながら振り向けば、サボお兄ちゃんがにっこりと笑ってた。
そういえば、お兄ちゃんがサボだけずりぃ! おれも泊まるから荷物持ってこいって電話してきたんだっけ。

「サボお兄ちゃん。おかえりなさい」
「ただいま、リツ。っていうか、なんでここで話してんの?」
「色々あったんだよ。リツ、サボの言うとおりだ。荷物持ってこい」
「私はいいよ〜」
「「兄貴命令だ」」
「だってよ、ニシシシ!」
「お前も、一人にするようなことすんな!」
「ってぇ!」

またエース兄に拳骨をもらったお兄ちゃんを尻目に、どうしようかななんて考える。
まぁ、結果は考えるまでもないんだけど。

「んっと、じゃぁ荷物とってくる」
「そうしろ」
「送ろうか?」
「大丈夫」
「そっか。じゃあ気をつけて?」
「うん、ありがとう。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「?」
「どうした?」
「ううん?」

なんかスカート引っかけた気がして振り向いたけど、そこにはお兄ちゃん達がいるだけ。
気のせいかな。
そう思って、振り返った時。
やっぱりスカートを引っ張られるような感覚を感じて振り返った。
そこには、にっこりと笑うサボお兄ちゃん。
そして、その右手には私のスカートの端。

「サボお兄ちゃん・・・」
「女の子が体、冷やしちゃ駄目だろ?」
「ちゃんと、毛糸パンツ履いてるよーってか、サボお兄ちゃんもめくるのね・・・」
「おれも?」
「あー、もう。エース兄達にでも聞いて」

揃ってニシシと笑ってる二人を見て、何となく察したのか、サボお兄ちゃんが納得したような顔でクスクスと笑う。

「ごめんごめん。ほら、行っておいで」
「うん・・・もうしないでよ?」
「しないから、ほら。暗くなる前に」
「はぁい」
「気をつけろよー」

三人揃って見送ってくれる姿を見て、何だかんだされても許してしまう私は「しょうがないな」って息を抜いて。
どんな夜になるか楽しみだなって笑ったのでした。

----------
あとがき。
25さんのツイートに萌えたので、文章化しちゃいました。
勝手にごめんなさい(^^;


[*prev] [next#]

back



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -