小説 | ナノ

 どらごんばすたー

ているずおぶどらごんばすたー。

竜を倒して、お姫さまを救った。
何度目かの挑戦で、ようやくの初クリア。

「よっしゃー!」

体を伸ばしてひとつため息をつき、やっと倒せたんだという達成感に浸る。すると、そばで観ていたうしにんのエリオンが少し興奮気味に話し始めた。

「!うわ、すごい!竜を倒して、お姫さまも助けちゃうなんて」

「お姫さまぁ?あれティアだったよな?」

竜を倒してから、頬を染めて駆け寄り寄り添ってくれたのはティアだった。

可愛かったなぁ、なんて思っていると、隣から「…ナタリアでなくて残念だったわね」と声が聞こえて。
その不貞腐れた声の主のティアは、仏頂面で腕を組み、つんとそっぽを向いていた。

「はっ!?違、俺は別に…!」

つーかむしろティアが出てきてくれて嬉しかったんだけど。

もちろんそんなことは言えるわけがなくて言葉を詰まらせる。すると、俺たちを宥めるようにエリオンが衝撃の一言を言い放った。

「まあまあ。あのお姫さまは、頭の中に思い描いた人が出てくるんです」


「「………え…」」


竜を倒して救った、お姫さま。
それは、自分の想ってる人が、出てくるのだと。

(それってつまり…)

さっき自分が倒したときに助けたお姫さまはティアで、お姫さま=好きな人で、…もちろんそれはティア=好きな人、となるわけで。

さっきまでの見慣れた仏頂面がピタッと固まったかと思うと、瞬く間にほっぺたが赤くなっていって、それにつられて俺の顔まで赤くなっていく。


……あ、やべぇ。

そう思ったときには、もう遅かった。腹黒悪魔コンビが獲物を見つけたかのようにニヤリと笑みを浮かべている。それに気づいた瞬間反射的にというか、なんというか。説得力が全くないのはわかっているけど、否定の言葉を一気に言い放っていた。

「な、ばっ、ち、違うっつーの!んな訳ねーよっ!」

「そこまで否定すると、余計に怪しいな」

腹黒悪魔コンビと同じようにガイまでニヤニヤしはじめる。
ナタリアもエリオンも、ついでにミュウまでも。

何も言い返せなくて口をパクパクさせていると、ほ〜んと、ルークってガキだよねぇ、とアニスが薄ら笑いを浮かべたもんだから、ガキにガキって言われたくねーよと言い返してやった。


「…さて、じゃあガイにもやってもらいましょうか♪」

「え…お、俺?(……勘弁してくれ…)」

「ガイのお姫さまって誰だろ?なんか想像つかないや」

「わたくしも想像がつきませんわ。楽しみですわね」




(…ティアが、俺のお姫さま…)
(…私が、ルークのお姫さま…)


楽しそうな軍人に見張られ泣く泣くガイがゲームをやりはじめる中、なんだか嬉しそうなこのふたりは、目を合わせる度に顔を真っ赤に染めていたとか。




続く


──────
毎度毎度オチが弱くてすいません…つかなにこの文(泣)
書いてる途中、あまりの文才のなさに何度心が折れそうになったことか……(..)

ナム孤島はルクティアイベはとにかくニヤニヤですよね!!←

では、ここまで読んでくれてありがとうございました!


101021 べべ



prev / next


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -