▼ 秘密
「ティアー、ティーアー、…あ」
アニスにティアを探してこいと言われて約5分。彼女の名を呼びながらほぼ無意識のうちに足を運んでいたセレニアの花畑の真ん中に、彼女の綺麗な栗色の髪の毛が見えた。
「ティア、アニスが呼んで……」
そう声をかけながら岩の横からひょいっと覗けば、すやすやと気持ち良さそうな寝息をたてているティアがいた。手には作りかけのセレニアの花冠を持っている。なんだか起こすのは可哀想だったので(アニスが呼んでるけど)、とりあえず隣に座って、じーっとその寝顔を見つめてみた。
(…寝顔は綺麗っていうより可愛い、だな)
自然と手が動いて栗色の綺麗な髪を撫でれば、柔く幸せそうに笑みを浮かべ、小さくその唇が動く。
「……ルー…ク…、」
「……起きた?」
もしかして起こしちゃったのかと思って呼び掛けてみるが、変わらず気持ち良さそうにティアは眠っていて、返事が返ってくることはなかった。
「なんだ、寝言かよ…」
その唇から紡がれた言葉に頬の筋肉を緩めながら、もう一度その綺麗な髪を撫でる。
そして、いつも右目を隠している髪の毛をかきあげて、額に触れるだけの軽いキスをした。なんだかちょっと恥ずかしくて、ティアとは反対の方向を向いて自分も岩に寄りかかる。
ここにきた本来の理由もすっかり忘れて、セレニアの花の香りをかぎながら目を閉じた。
2人が起きたとき、目の前にはにやにやしながら2人を見ている仲間たちがいたとか。
(ティア、なんの夢見てたんだ?)
(……ルークには、教えない)
(えー。なんだよそれ!)
(……ばか)
fin
題名の秘密、は
ルークの額にキス、と
ティアの夢、ってことで。
微妙な終わり方…
ただルークにキスしてもらいたかっただけなんです、寝てるティアに!!
文才なさすぎて泣けてくる。
100514 べべ
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