小説 | ナノ

 仏頂面

「…ティアさーん…」

「……。」

「…やっぱ怒ってるだろ?」

「……別に、怒ってないわよ」


(えー…怒ってんじゃんかよ…)


自由時間。
俺はティアとナタリアの部屋に来ていた。

ナタリアはガイと散歩に行っていてここにはいない。隣に座っているティアは明らかに不機嫌そうな仏頂面。呼びかけてもむすっとして俺を見つめるだけだし、怒ってるのかと聞いても別にと言うだけで、なんで機嫌が悪いのかなんて誰も知らない。もしかすると俺が何かしたのかもしれないとこれまでの行動を思い返してみたけれど、今日は珍しくどこにも思い当たる節なんてなかった。


顔を覗き込んで、俯いているティアをじっと見つめる。見つめ返すティアはやっぱり仏頂面だけど可愛いくて、もうちょっとその可愛い仏頂面を見てたいところだけれど照れた顔や笑った顔のほうがすきだから、ティア、と優しく呼ぶ。ティアは少しだけ頬を赤く染めて、俺の服の裾を掴んだ。


「…ずいぶんアニスと仲がいいのね」


「…アニス?」


やっと口を開いたと思ったら出てきたのは意外な言葉で、思わず聞き返してしまった。ティアの袖を掴む力が強くなる。…アニス。記憶を思い返してみれば、最近自由時間とか夕食のときとか、よく一緒にいる気がするけれど。


「今日だって、アニスとずっと話してたし…」


ぽつりと自分で呟いた言葉に、袖は掴んだまま不貞腐れたようにそっぽを向いた。もしかしてヤキモチかな、と思うと同時に気がつく。いつもならたくさんあるティアを不機嫌にさせる行動が思い当たらないということは、俺とティアがあまり接していないということだ。…最近どこか寂しかったのは、そのせいかもしれない。


「…ばか」

いつもの二文字が聞こえたかと思ったら、頬を赤く染めて唇を不満そうに尖らせて抱きついてきた。なんだよこいつ、可愛すぎるんだけど。抑えきれなくて、思わずへらっと笑ってしまう。抱きしめ返そうとしたけれど、にやけてしまってたのがバレたらしく馬鹿にされたと思ったのか、抱きしめていた腕を離して思いっきり両頬をつねられた。マジで痛い。つねられた頬をさする手を止めてティアの頬へと伸ばし、仕返し、と耳元で囁いて、ティアの唇を塞いだ。

「ん、…〜〜〜〜〜っ!!!//」

まさかキスが来るとは思っていなかったらしい。一瞬にして茹でタコのようになるティアに、かわいい、と呟いて唇をもう一度塞ぐ。ああもう。ほんとに、かわいい。



「今日俺の部屋に泊まってく?」

「!?// ばっ、ばかっ!!!////」







翌日。
ルークの左頬にはうっすらと赤い紅葉の痕が残っているが、へらへらと幸せそうに笑ってたとか。


(たーいさっ!ヤキモチ作戦成功ですっ☆)
(そのようですねぇ♪ガイに赤飯でも作らせましょうか)
(じゃあ私、からかってきま〜す♪←)


fin

―――――

とにかくルクティアをイチャイチャさせたかったんです!!!!爆
ちなみに今日俺の部屋に…のあと、思わずティアさん平手打ち←

駄文すぎてすいません。文才ほしい。


100421 べべ

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