小説 | ナノ

 みらいのはなし。2

「懐かしいなー」

その声に、紅茶をいれていた手を止めて振り向くと、ルークがおいでと手招きをしていて

素直に彼のそばへよると、ぎゅっと抱き締められた。その手にあるのは、少し古ぼけた日記帳。彼が、あの旅のなかで毎日忘れずに書き記していたものだ。


「本棚整理してたら、落としちまって」

「懐かしいわね…あれから何年経ったかしら」

「俺が帰ってきてから二年…だから、四年くらいだな」

ルークの腕から解放されて二人でソファに腰かける。


「…旅を始めた頃は、あなたと結婚するなんて、想像できなかったわ」

「ははっ、俺だって」


ふと、昔の記憶がよみがえる。前にもこうして、過去や未来のことを、ルークとアニスと話した。
なんだか懐かしくて、ふふ、と笑みがこぼれた。


「前にもこうやって、話をしたわね」

アニスと3人で、と付け足すと、ああ、なつかしいなーなんて言いながら、ルークが甘えるように寄りかかってきて。
そのあたたかさと思い出に浸っていると、あの日疑問に思ったことを思い出した。

「…そういえば…あのとき、私の名前が聞こえたから、部屋に行ったのだけれど」

未来の私のことを話していたの?とルークを見つめると、寄りかかっていた体を起こして少し頬を赤く染めながら、お嫁さん発言か、とルークはいう。

「お嫁さん?」

私が誰かのお嫁さんになる、ということだろうか。聞き返した私の左手の薬指に、ルークが手を添えて。にやりと笑ったかと思うと
突然、唇を塞がれて


「未来のティアは、俺のお嫁さんだといいなーって」


その言葉と無邪気な笑みに、顔が熱くなっていく。恥ずかしくて嬉しくて、あちこちに視線を泳がせていると
ティアだいすき、と、再び抱き締められた。




fin

──────

ほんとうはもう少し長い予定だったんですけど、なんだかグダグダになってしまったので、切りました。

とにかくED後のルクティアはひたすらイチャイチャしてればいいと思います←



110408 べべ





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