槙島さんとハロウィン続き



(おふざけ)


「クッキーのお味はどうしでしたか」
「ああ、合成ではないヒロインの手作りクッキーだからね、美味しくいただいたよ」
「それなら良かったです」
「ただし、少々不恰好ではあったけどね」

吹き出しそうになるのをこらえるグソンさん。

「…まぁ、この時代、慣れない作業だったでしょうし…」
「それは大いに理解している、だが」
「はい、」
「ヒロインは絵心がないわけでもなく、手先の器用さに欠けるわけでもない、それなのに何故僕がああなるのか…、ヒロインの目には僕がああ映っているということか…」
「いや、本当に難しかったんだと思いますよ、俺ももらいましたが俺のは狼男かと思いましたし…」

少し顔色が変わる槙島さん。

「…チェ・グソン」
「なんでしょう」
「今のは少し聞き捨てのならない台詞だったね」
「どれです?狼男…?」
「そこはどうでもいい、それより君も言わされたのか、トリックオアトリートを」
「ああ…はい、」
「そうか…ヒロインは僕だけの為にクッキーを焼いたわけではなかったんだね」
「…!でも俺のはきっと練習でしょう、動機は確実にあなたですよ」
「それにしたって幽霊よりも狼男の方がいいと思わないか」
「それは…」
「ヒロインが帰ってきたら少し問い詰めなければいけないね」
「……」

フォローをするつもりが、墓穴を掘ったグソンさん。
このあとリベンジで三人で手作りクッキー作ってたらほのぼの。


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