ファントムハイヴ家 2 / 10 02 ((ジョワーン!! 屋敷のドアの前で対立するのは拳法の達人、執事。 僅かな静寂の後、片方が動き出す! 「くらえ!!奥義!! 花鳥風月百花繚乱拳ーーーーッ!!」 迫ってくる相手に余裕な表情の執事はすれ違いざまに 「がはっ… こ…この技は わが流派秘伝の最終奥義…!! 猛虎龍苞 万華散烈拳… きさま一体何者だ!!!!」 「ファントムハイヴ家の執事たるもの この程度の技が使えなくてどうします」 ((ぱんぱん 「…という訳で坊っちゃん 私が勝ちましたので お約束通りこれから晩餐まで本日の復習と予習をなさってくださいね」 執事は嫌味たらしく彼の主人に笑いかけ、思い出したように手を叩いた。 「嗚呼、それと本日は以前女王陛下がおっしゃていたように、ナマエ·グレイ様がご到着になる予定です。」 「そうだったな。 ご苦労だったな セバスチャン まぁ飲め。 イッキにな。」 「恐れいります。 ーーーーーーところで 貴方達はどうしてここにいるんです?」 ((ギクッ そばで喜んでいた使用人達が固まった。 「フィニ、メイリン、バルド。 こんなところで 油を売っている暇が あるなら仕事しなさい!!」 ((ひぇ~~~ 「仕事と言えばセバスチャン イタリアのクラウスから電話があった。」 「クラウス様から?」 セバスチャンはシエルの椅子を引きながら問いかける。 「それについて少し話がある。 来い。」 「かしこまりました。 おや?坊っちゃん、 本日の来館予定の一人目がいらっしゃいました。」 ((ガタガタガタガタ 森の奥から1台の馬車がやってきた。 「フッ 迎えろ。セバスチャン」 「了解しました。 ようこそ我がファントムハイヴ邸へ。遠路遥々お疲れ様でした。」 馬車の扉が開いた。 中から1人の真っ白なメイド服を着た若い女性が出てきた。 「お迎え感謝します。 久しぶりね。シエル。」 ≪≪prev ■■さいととっぷ |