ファントムハイヴ家 1 / 10 01 首都から少し離れ 霧けぶる森を抜けると 手入れの行き届いた 屋敷があらわれる その屋敷に住まう 名門貴族 ファントムハイヴ家 当主の朝は 一杯の紅茶から始まる 「坊っちゃん お目覚めの時間ですよ」 主人を起こしながら紅茶を淹れる執事·セバスチャン·ミカエリス 「本日の朝食はポーチドサーモンとミントサラダをご用意いたしました。 付け合わせはスコーンとカンパーニュが焼けておりますがどれになさいますか?」 「…スコーン ふぁ~~」 大きな欠伸をする少年·シエル·ファントムハイヴ。 「この香り…今日はセイロンか。」 「ええ、本日はロイヤル·ドルトンのものを」 「今日予定は?」 「本日は朝食後帝王学の権威ユーグ教授がおみえです。 そしてご昼食後は__」 ≪≪prev ■■さいととっぷ |