12
「今日は桜の満開日。
桜予報で言ってたよ…
ということで公園に花見に来たよーっ」
清々しい晴れの日、名前は重箱を抱えて並盛の公園に来ていた。
「ねぇねぇ何で名前さんはそんなにご機嫌なの?」
「当たり前じゃん!!
……って関西弁抜けてた。あかんあかん。
take2撮りますー
当たり前やんシロ!!
今日はどうにかこうにかしてヴァリアー追っ払って久々のゆったりした休日やで!」
そう、名前は必死に頑張ってヴァリアーを家に閉じ込めて花見をしに来ていた。
でも1人はやっぱり寂しいので鬼灯に頼んでシロを1日人間界に呼んでいたのだ。
「ということでシロ!!
花見すr……すんで!」
「うん!そうそう、来る途中に桃太郎の所に行ってきびだんご貰ってきた!」
そう言ってシロは首にかけていた包みを地面に置いた。
「でかしたな!シロ!!
あー……ってもういいや。
シロに関西弁で話すって変。
標準語でいい。」
そう言い、敷物を開き始めた。
ちなみに敷物の柄は地獄絵図である。
このチョイスはどうなのかと思うがシロにとっては毎日見てる光景なので平気で名前が重箱を広げているのを待っている。
しかし、近くを通りすがった人は思わず2度見をするほどシュールな絵面が出来てしまった。
重箱は全部で5段。名前の手作りである。
ちゃっかりお茶の道具もある。
「ほぅ……いいですなぁ。
落ち着く〜〜
鬼灯さんも来れればよかったのにー」
「そうそう忘れてた!鬼灯さんから伝言預かってたんだけど、
仕事中危なくなったら………
この玩具用の金棒を使えって。」
そうしてシロが取り出しのはプラスチック製の黄色い金棒。
中心には『hit!』と書いてある。
「えぇ〜〜〜
了解です…………
普通危なくなったらモノホン使っていいって許可出すでしょ…………
って早速ヤバい気がする!」
名前の視線の先には、ボンゴレファミリーと雲雀が戦っていた。
綱吉は相変わらず慌てているだけだが、雲雀に至ってはトンファーを振り回している。
あっ、雲雀さんが膝をついた。
向こう側は予想外の出来事が起こって混乱している。
しばらくたつと、雲雀がふらふらしながらこちら側に歩いてきた。
「いいか、シロ。あの人がこっちに来てもスルーするんだ!いいな!」
小声でシロにそう伝えると名前は先程淹れたお茶をずずっーと飲んだ。
飲み込んだ後、ほぅ…とか落ち着いたような声を出しているが目は焦点があっていない。激しく動揺している。
雲雀はよろけながらも通りすがる人々が一点凝視しているのに気付いて、視線の先をたどった。
そこには手をガクガクと震わせている名前ときびだんごを器用に前足を使って食べているシロがいた。
その光景に雲雀は口角を上げた。
(えっ!?
こっち来るの!?あっち行ってよあっち!
穏やかな休日楽しみたい!)
名前は冷静を心掛けながら、きびだんご手にしたときとうとう雲雀が名前の前に立った。
「ねぇ………
僕も混ぜてよ」
「ど、どどどどちらさまでしょうか!?」
「何言ってるの、そんなに馬鹿だったの?
僕なんだけど」
(へぇ〜これが現世で言ってるオレオレ詐欺なんだ)
冷や汗がだらだら名前とは対照的に、シロは現世で良いものが見れたと感動していた。
「あ、ぁぁ………
雲雀さん、ですね………
こん、にちは、、、
今日は緒日柄も良いですし、そ…その……
追いかけるのはナシの方向で……」
名前は動揺のし過ぎなのかきびだんごを食べているシロを撫で回しながら言った。
「いいよ。
それより僕はさっきのヤブ医者のせいでフラフラしてるんだ。
勿論、看病してくれるよね?」
異議は認めないよと言わんばかりの圧力をかけて名前に問いかけた。
「へぇっ!?
………モチロン喜んで看病させて頂きます…」
「じゃあよろしく。
それより何て絵柄してるの。この敷物」
雲雀は敷物についてブツクサ言ってるが敷物の空いてるスペースに横になった。
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mokuji