今日は大抵の学生にとって憂鬱な、月曜日。
(2日でごり押して帰ったけど金曜日で、そのまま休日へいってしまった)


そして私も、中学生。当たり前に学校に行かなきゃならんのだが――…



『………………』


「……………………………」


「「………………」」




只今、玄関にてかなり緊迫した空気が流れている。



鞄を持ち後ろ向きでじりじりとローファーに足を近付ける私。
両手合わせて8本、扇形に広げたナイフを構えて俺に迫ってくるベル。
そしてそれを、リビングに繋がる廊下(それと呼べるほど長いものではないが。)から顔を覗かせて傍観するザンザス、スクアーロ。



なんだこの状況。どうして私はたかだか学校に行くだけのことでこんなに身の危険を感じなければならんのか。



「…ドア触ったらサボテンな。」



めっちゃ物騒な会話の始まりだった。



『……窓から出てけっちゅうことか』


「ガッコとか休めばいーじゃん」


『まっすぐ帰って来るってゆうとるやろぉが。』


「1時間」


『6時くらいにゃぁ帰ってくる』


「そんなに待てねー」


『んなの知るかっ』


「俺王子な」




『私の王子じゃねー。』


「………」


「「……………」」



……こやつ、学校に行かせてくれぬ。なんでだ。とにかくそんな状態が続いている。



じりじり。


じりじり。


じりじり。


じ――…




「――う"お"ぉぉいっ!!!いい加減にしろてめぇ等ぁ!!」



鬱陶しいぞぉ!!!とついに痺れを切らしたスクアーロが叫んだ瞬間、一瞬の隙を突いて俺は部屋を飛び出した。



『近くなら外出てもええからっ』



寸前で発したその声が届いたかどうかは定かではないが、ドアが閉まった瞬間カカカッという何かが何かに刺さった音を、俺は聞いた。

……危ねーな。



………大丈夫だよな? うん。よし、学校に行こう。




心配がないわけでも気にならないわけでもないが、私は学校ではそれなりにいいキャラを保っているんだ。(ズル休みしたとか言うなよ、あれは病欠だったんだよ表向きには。)
なので、遅刻ギリギリだったこともありすべてを脇に一先ず置いといて、小走りで階段へ向かうのだった。






 

mokuji



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