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「"純血種"の牙にかかった人間はヴァンパイアに変異する」

「…そうだよ。零の血を吸ったのはただのヴァンパイアではなく"純血種"だ……」



「…純血種に咬まれた人間の末路は二つだけです。喰らわれた血が致死量に達し"死ぬ"か…運悪く生き延びじわじわと"ヴァンパイア化"していく苦痛に苛まれるか…

他のヴァンパイアには有り得ない『魔力』だ…

元は『人間』にすぎない彼が四年…『ヴァンパイア』の強烈な本能に抗い続けた精神力は尊敬に値します」



そんな中、理事長室の扉が乱暴に開かれた。


「おいっ"リジチョーシツ"ってのはここでいいのかよ!?」


「アヤトか?いったい急にどうしたというんだ」

扉を開けたのは逆巻の三つ子の長男――アヤトだった。


「逆巻アヤトくんかい……?」

「あぁん!?テメェ……お前がレイジの言うリジチョーって奴か。
それよりルキ、名前はドコだ?」

不機嫌そうなアヤトはこの場にいない名前の名前を出した。

「名前だと?アイツは今授業だが……名前がどうかしたのか?」

「レイジの奴が名前にこれを届けろってよ。ったく、この俺様を使いっぱしりにしやがってあのシチサンメガネの野郎。んなモン使い魔にでもやらせろっつーの」

そう言ってポケットの中から小さな瓶を取り出してルキに投げた。

「まぁまぁ落ち着いて、逆巻くん。きっと次男くんも名前くんのことが心配だから様子見て欲しかったんじゃない?」

「これは……薬か?」



「吸血衝動抑えるんだってよ。シチサンメガネが、急いで作れなんて人使いが荒いですよ全くってキレてやがったぜ」


「それってつまり……」


「どうでもいいけどよ。俺様はもう帰るぜ。ヴァンパイアがウジャウジャ居やがるせいで胸糞悪リィ……」


アヤトは不機嫌を隠さないまま、理事長室から出て行こうとしたが、その時ヴァンパイアの3人は異変を感じた。


「……?どうしたんだい3人とも」

「これは……血臭?」

「間違いねェな。このウマそうな匂い……」

アヤトは確信ついたのか薄ら笑いを浮かべている。

「名前………?

チッ…クソッ……!」

「ッ何事だい!?」

急に顔色が変わったルキは舌打ちするとともに理事長を出て行った。
理事長は未だに状況を把握しきれないでいる。

「理事長、名前の血の匂いがします。僕も無神くんの後をっ!」

「ちょっと!枢くん!無神くん!」



mokuji
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