「さあら、これどれがいい?」

コンビニのアイスのケースの前で、公平がくじ付きのアイス見ながら話しかけてくる。
んー……ゴソゴソといくつかをひっくり返して、適当に一本取る。

「これかな」
「ん」

アイスと他に食べたかったチョコレートや喉乾いたからジュースをカゴに放り込む。
財布を出そうとしたら、俺が出すと公平がいうから甘えておいた。

「こういうのに、サイドエフェクト使うのどうなんだろ」
「いいんじゃね?さあらの持ってる特技を使ってるだけだろ」
「そっか」

アイスを交互にかじりながら歩けば、5分もしないうちにアイスはなくなって。
アイスの棒には当たり、もう一本の文字。

「もらいにいくー?」
「明日でよくね」

確かに同じアイスもう一本はきついかぁ。


私のサイドエフェクトは、数者択一とか、幸運の手とか呼ばれてる。
迅さんとかと同じランクのものだ。

いくつかの選択肢がある中から、最善だと思われる手を自然と選ぶことができる。
さっきのアイスもそう。なんとなくどれが一番良いかわかる。
もちろん当たりがない場合もあるから、的中率は70%くらい。

戦闘中には、例えばどこに避けたり、撃ったりが一番効率がいいか、安全なのか、またはマシな結果になるかをなんとなく感じながら戦えたりする。

昔は無理に頭で考えて動くようにしてたせいで、あまり有効活用出来てなかったけど、最近では直感的に戦うようにしてる。そうしたら勝率が格段に上がった。
問題は、慶さんや迅さんとかみたいな本当に実力のある人たちと戦う場合は、どれも悪手みたいな絶対絶命な時もあるから難しいんだけど。


「なーさあら」
「なぁに?」
「コロッケとエビフライどっちがいい?」
「えー、なんで?」
「今日の晩飯、どっち食うほうがラッキーなんかなと思って」
「それならサイドエフェクト使わなくてもわかるよ」

だって、昨日コロッケだったもん。

「そういや昨日コロッケ食ったな」
「因みにエビフライは三日前に食べましたぁ」
「いいじゃん、エビフライは毎日でも食える」
「しょうがないなぁ」

公平のせいで、コロッケとエビフライの頻度が高い影響なのかとうやもコロッケとエビフライ好きだから、まぁいっかぁ。

「スーパー寄ろうね」
「おー。あ、タルタルソースも作って」
「わかってますよー」
「さすがさあら」

すっごく嬉しそうだから、まぁしょうがないよね。
喜んでもらえるもの作るほうが、私も幸せだし。

「あ、公平。お米も買うね」
「げ」
「持ってね」
「えー……換装するか」
「だめー。がんばれ、愛してるダーリン」
「はいはい、がんばるよハニー、愛してるぜちきしょう」

さあらのとくぎ


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