「国近、とうやどこいった?」

暇だし、とうやに弧月持たせて遊ぼうかと作戦室に戻ると、この時間なら作戦室でだらだらしてるだろうと思っていたとうやの姿はどこにもなかった。
ゲームをしている国近に居所を聞いてみる。

「えージュース買いに行ってくるってさっきフラフラ出てったよぉ」
「出水もか?」
「うん、一緒に行ったよー」
「チッ、出遅れたか」
「そのうち戻ってくるんじゃない?」

しょうがねぇな、とソファーに体を沈めて適当にスマホを見ていれば、すぐに出水ととうやの声が聞こえてくる。
相変わらず賑やかな奴らだな。

「おかえりー二人共ー」
「ただいま、柚宇さん。聞いてよ!太刀川さんも!」
「どしたどしたー?」

名前を呼ばれて顔を上げれば、出水は怒ってます!と言わんばかりの様子で、その後ろで肩をすくめて苦笑を浮かべたとうやが大人しく立っていた。
そのとうやの手の中には何やらお菓子が大量にある。

「ジュース買いに行ったらさ、B級女子軍団が来てさ」

ああ、なるほど。お菓子の出処が判明。ついでに出水の怒りの原因も判明。

「きゃぁぁ、とうやせんぱーいおはようございまぁす!任務終わりですか?お菓子食べますぅ?って、俺も!隣に!いたのに!無視!!」

裏声で、シナを作る出水は正直行って気持ちが悪い。キモいじゃなくて、気持ちが悪い。

「いつものことじゃね」
「そうだけどな!つーかとうやさんは黙ってて!この顔面凶器!」
「暴言がひどすぎん?しかもそれなんか違う」
「まぁまぁ、いずみん。とうやが人気なのはいつものことでしょー」
「そうっすけど!」

キャンキャン吠える出水がそろそろ犬に見えてきたぞ。このままでは終わりそうにないので、口を挟むとするか。

「よしわかった」

そういって口を開けば、出水ととうやの目が俺の方に向けられる。

「喧嘩はダメだ。こういう時は模擬戦で決着つけろ」
「いや、それあんたが模擬戦したいだけだろ。太刀川さん」
「うるせぇ、とうや。そもそも俺はお前と弧月で遊んでやろうと思って待ってたんだぞ」
「知らんがな。勝手に人の予定決めないで」
「とうやさん、スナイパーでいいじゃないっすか。俺と太刀川さんVSとうやさんで」
「いやいやいやバカなの。どう考えても俺フルボッコの未来しか見えねぇやつじゃん」
「いいじゃん」
「よくねーよ!!」

ああ、もううるせーうるせー。
俺と出水は一瞬のうちに視線を交え、しっかりと頷きあう。
それに危険を察知したそろりと後ろに逃げようと足を後ろに引いたとうやを、右から出水が。左から俺。
がしりと腕を捕まえる。持ってた菓子が散乱したけど、気にするな。
つか、お前背伸びた?俺よりでかくね?え?まじ?これは今日は50本くらいぶった切る。決定。

「いくぞー」
「おー」
「はーなーせーやー」
「出水やです」
「太刀川もやだ」

そのまま歩き出せば、しばらくは抵抗していたとうやもさすがに諦めたらしい。
はぁあああ、とでけーため息を吐き出した。

「柚宇、そのお菓子食っといて」
「お、らっきー。ありがとー」
「どういたしまして」

もう逃げねーから離せって!そういうとうやの声を俺も出水も完全に無視して、そのまま個人戦ブースへ歩き出せば。集まる注目がすげぇけど、今はそんなのどうでもいい。
あー、今日も楽しくなりそうだ。




いただいたリクエストは、太刀川隊所属の男主人公で、烏丸君くらいのイケメンでした
ありがとうございました!



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