「ぼくは、やまださんのこと、好きでも嫌いでもないけど」

そう前置きをした上で、噂を聞いた菊地原は、不機嫌そうな表情を浮かべたままこういった。

「あの頭のおかしい訓練を、うちが設定している70%を遥かにこえる100%の痛覚訓練を、太刀川隊にいたいって理由だけで耐えて、しかも自分をあれだけ罵倒する太刀川さんや出水先輩達に、それでも一緒にいたいと笑うような、あのやまださんを、俺は弱いなんてバカにしたりできない」

珍しくその言葉は素直で、思わず風間は菊地原の頭のポンポンと数回撫でた。

「遠征にいったことがある奴ならば、わかっているさ」

A級1位である太刀川隊は、当然のように遠征回数では郡を抜いている。
その中で、さあらが遠征に行かなかったことなど、一度もないのだから。
あの訓練を、太刀川や出水と同じだけの回数を越えてきている彼女を、弱いというのなら。

そろそろ、うちの隊含め、A級部隊全員、黙っていないぞとひっそりと風間は覚悟を決めた。

けっきょくのところ


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