翔ちゃん中編 | ナノ













「じゃあそろそろ会社に戻るよ。連絡先教えておくからいつでも連絡してくれて大丈夫だよ!」

「あぁ」

「なんか悩みとかあったら聞くからね!不安なことあったら、すぐ言うんだよ!」

「ちょ、愁」

「具合悪い時も言いなさいよねっ!翔はすぐ我慢するんだか」


「はは、もう子供じゃねぇんだぜ?」




そういって制止にはいる翔。




「私からしたら17歳なんて全然子供だよ」

「愁はあんま成長してないな」

「なんだとうっ?」




はいはい。


と私をあしらいながら、
さっそうと伝票をレジに持っていく翔。




「あっ!私が払うよ!」

「いいんだよ、男が払うもんだろそこは」




そう言った翔はなんだか、男の子というよりも、男の人といったほうが正しい気がした。









「ご…ご馳走様です…」

「どういたしまして。」






そして会社の近くまで
送ってくれた翔。




「じゃ、仕事がんばれよ!」

「翔もね?」

「あぁ!終わったら、メールしていいか?」

「えっ、あっ、もちろん」

「よかった!じゃ、またな!」

「うん…」






走り去るその背中は、
とても大きく感じた。




子供扱いじゃなくて
大きく感じた君に、
戸惑っただけ。












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