さっさと目標は始末した。花京院に悪いような気がしたので、クリームので消した。動くからうまく消えなくて、足を奪って、肩を奪って、頭を奪って、きちんと殺せたのを、確認して、勿論監視の名目であるギアッチョにも確認してもらって、車にたどり着いた。ついでにちょっと血も拝借した。これで、またちょっと暫く生きれる。 「まだ引き出しはあるけれど、大体いつも使うのはこのあたりになるんじゃない?今後は。それに、こういうスタンド持っている以上は、どこにももういけないわ。」 「だろうな、クソメンドクセー能力だな。」 「こんな能力持ってたら、誰だって逃がしはしないわよね。体質も特殊だし。」 「ンだよ。体質って」 「ちょーっと珍しい血が流れちゃってるのよ。少年興味心身かなー?」 もう年齢変わりませーン。7割女子高生2割吸血鬼1割老人って珍しい血どころではないよね。もう。ファンタジー路線まっしぐらだよね。スタンドで心臓マッサージって・・・ねぇ。ちょっとギアッチョをからかってやれば、んな訳ねーだろ!黙ってろくそアマ!なんて耳元で怒鳴られた。カルシウム不足かお前は!牛乳嫌いだろお前! 「牛乳取ってる?」 「んなもん、取るわけねーだろ。」 「だから切れやすいんだろうが」 「クソ、黙ってろクソアマ!」 「そういえば、私これで30手前とかって言ったらどうする?」 そんな言葉にギアッチョは急ブレーキをふみ、大音量ボリューム壊れてるんじゃない?っていうぐらいにハアアアアアアアアアアア?って怒鳴るように言われた。コッチガハアア?だわ。なんて返すのも野暮ったくて、うそよ!なんていってやった。事実だけれど、もう、だいぶ年食ったなと思うと同時にこの血をわずらわしく思うようにもなった。 にしても、こいつハアアア?以外のリアクションが欲しいなー。億泰くんみたいなリアクション豊富だと楽しいのになー。たぶん人生に出汁と奥深さをだしてくれるのに、と他人事を自分のように捕らえつつ、馬鹿なことを考えながら、外の景色を眺める作業に取り掛かった。 すぐに変わる景色と日本と違う景色に、なんか早くもまだ二日三日なのに、故郷が懐かしくなった。 前 戻 次 ×
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