ジョ長 | ナノ



「なぁ。」と、沈黙ばかり貫かれていた車内で、ギアッチョから口を開いてきた。なにかしら?と聞けば、率直に質問が飛んできた。

「お前のスタンド。ってどんなんだよ。」
「私ー?スタンド使いの名前、スタンドの名前、そしてその能力まで把握した瞬間にそのコピーを呼び出して使える。たぶん、きっと、百聞は一見に如かず。見たほうが断然早いわ。目的地まで、どれぐらい、かしら?」
「あと5分ぐらいすれば到着する、」

なら、いったんこのあたりで車を止めましょう、安全に且つ楽に、そして目立たないようにしていくわよ。なんていえばギアッチョは、怒った。文字通り、火山噴火かっていうぐらいに。盛大に、気持ちいいぐらいに怒鳴った。

「テメェ、あとどんだけの距離があると思ってんだよ。10キロだぞ10キロ。」
「あんたがどんなスタンドだ、って言うからよ。それに、あんたは多分リーダーに私の能力の報告だってあるんでしょう?引き出しのひとつ二つ見られてもこまったことないっていうの。さっさと車止めて、さっさと片つけて帰るわよ。」

ギアッチョに近くの駐車場に止めてもらって、近くの電気を目で探す。

「ペースト。音石明、レッド・ホット・チリ・ペッパー」

音に反応してヴェルデは姿を変え、能力を変え、私とギアッチョを電気にし、電線をとおり、目的地を教えてもらいながらぐいぐい進んだ。人気の無いところのコンセントから出たら、ギアッチョが今のは何だったんだ、と妙な表情を浮かべているので、これが私の能力。知れば知る程強くなっていくわ。そうそう、ギアッチョ、手。
手を差し出せば、ハァ?とガンつけられたので片割れ譲りの喧嘩慣れでのメンチきりで応戦して、どうなってもしらないわよ。と念を押せば、わかった。としぶしぶながら手を繋いだのを確認して、ヴェルデを、また違う姿に変える。

「ペースト、静・ジョースター、アクトン・ベイビー」

この能力をつかうのははじめてだったが、やはり指定はできるようでちょっと安心した。ギアッチョはもう。おどろくこともやめたみたいで、行こう。と歩き出した。石畳だからこそ、少し低いヒールでよかったと思う。誰も居ない石畳にカーンカーン鳴ってもねぇ。幽霊騒動にしかならない、もう怪奇現象だわ。なんて考えていたらギアッチョにお前目的のアジト通り過ぎてどこ行くんだよ。このアマァ。と怒鳴られたのは別の話。



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