ジョ長 | ナノ



イルーゾォと別れて、ぶらぶら歩きだしたら、ギアッチョがこちらを指さしてがなっていた。面倒。と判断して、一歩踏み込んで、勢いよくUターンして走り出した。

「ぬあ、テメェまちやがれっ!」
「待てと言われて待つばかばかしいいないわよギアッチョ!」

全速力で走る私とスタンドで追いかけてくるギアッチョ。スタンド能力に捕まらない私!やれば出来るのよぉ!なんていいながら、街中でギアッチョを叩きのめす方法を思いついた。

「その手が有ったわ!」

私さすが!なんて目を煌めかせて、考えながら路地裏に駆け込む。

「ペースト、鋼入りのダン、愛人!は、キャンセル」

そうだった。ギアッチョは、着るスタンドだったと思い出して、すぐに違うスタンドを呼ぶ。イルーゾォのスタンド。マン・イン・ザ・ミラー。ポケットにはさっきイルーゾォから奪った鏡。タイミングいいわね!と、思い返して、ペスカはスッと足を止めて振り返った。車も人も急に止まれない。ギアッチョが気が付いてブレーキをかけたが間に合わず。

「ギアッチョが鏡から出るのを許可するッ!」

呼び出したスタンドがギアッチョをつかみ鏡の外に追い出した。勢いついたまま鏡の向こうに消えたギアッチョが鏡の向こう側から鏡を割る勢いで睨んでる。とりあえず鏡に映るギアッチョを写真で撮りリゾットにメールを送れば、すぐに三人目。と表示されたのを確認して、息を吐く。これでプロシュート、ソルベ、ギアッチョ。棄権したジェラートとイルーゾォ。そしてメローネ、ホルマジオ、リゾット。折り返しぐらいかと。ペスカは納得した。

時計を確認すれば、もうすぐ一時間。リミットは残り二時間。余裕を持たせて一時間半。

「リミット、ヤバいわね。」

携帯のアラームにリミットを設定してペスカは苦い顔をした。これ以上伸びるわけには行かない。のびても室内に限るバトルになる。大丈夫かな、

「メローネ、イマシタ!」
「流石だ、俺のベイビィ!」

あぁ。あんたのスタンドでしたか。呆れながらに隣の相棒を見る。相棒はまだマン・イン・ザ・ミラーのままで愛人を呼びかけてキャンセルしたせいかいつもより小さい、ギアッチョを追い出した鏡を取り出して、メローネのスタンドに向けて駆け出した。
そらに浮かぶメローネのスタンドはくるりと宙で回転して身を反らした。こいつ、吸血鬼のスピードに追いつくのかよ。自立型か?にしても、まだ幼すぎる。いや、メローネの精神が幼いのかもしれないが。

「メローネのスタンド…」
「ベイビィ・フェイス。ペスカと遊ぼう!」
「遊ブ?遊ブ、何?メローネ、遊ブ!遊ブ、ナニ!」
「死なない程度に、相手してやる。ってことかな?」

おいこら、頭についてる文言が穏やかじゃねーけど。おい、メローネ聞いてるか?

メローネのスタンドは嬉しそうにまた身を捩らせて、急降下、私に向かって飛んできた。コイツ馬鹿かよ。

「…メローネのスタンドが外に出るのを許可する…」

右手の鏡にするする吸い込まれてベイビィは消えた。苦戦するかと思ったが、すんなり行き過ぎる。

「それも想定内だよ、ペスカ。」

つまらなげに吐き捨てるメローネは、ペスカと一気に距離を詰めて、ペスカの手の中にある鏡を叩き落とし、後ろから抱きしめた。腕を上から押さえられ身動き取れず、蹴り上げ急所を狙うにも距離とメローネの高さのせいで届かない。

「ペスカを鳴かしたくてさ」
「あれ、文字違うくないか?」
「鳴かしたくて仕方ないんだ。」






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