ジョ長 | ナノ



これはこれでヤバい。がしかしても男女の差。腕ホールド身動きとれない、こいつスタンドがパワー型じゃないくせに、ガッチリしてやがる。

「メローネ?」

残念ながら後天的な身体能力もスピードはくれても、力だけはくれなかった。彼の名前を呼べば、耳元でどうしたんだいと熱を持った声で囁く。メローネならしない。と踏んでるが、いかんせん。耳首筋は弱い。

「ん…」
「どうしたんだい、俺たち普通に会話してるだけだろ?」

距離感考えろ馬鹿やろう。こんな近かったら男女のまぐ…あー。言わない。言わない。

「な、ペスカ。どんな声でなくんだい?」

ぞくりと泡立つのは、嫌悪感か背徳的にか。理由は解らないが、答えはNOしか出さない。やだやだ気持ち悪い。

「ぺ、ペーもがっ」
「スタンドはいらないだろう?」

メローネの長い手より腕と口を押さえられた。しゃべることも出来ず、ガンガン警報がなる。本能が戦えと叫ぶ。メローネは鼻で笑ってベネ、という。怒りの含んだいい瞳だ。背中に感じる熱が、暖かいのに、考えは酷く落ちついている。反撃はまだだ。チャンスはまだまだある。

「ペスカ?」
「…………」

悔しいがな日本人体系。まともにやりあうことは、無に等しい。もう我慢ならない。未だ。と理性に働きかけているが、もう我慢ならない。
ふとしたタイミングで、反撃の兆しを得た。

「メローネよぉ。俺が居るのを忘れんじゃねぇよ。」
「解っててやってるよ。」

気が反れた。今だ。顔面にヘッドバッドが命中して、腕の拘束が解ける。足払いをかけて転がした。空かさずハーミットパープルでメローネを縛り上げる、依然メローネは悦に入りぱなし。きもい、気持ち悪い。そんな気持ち悪いメローネを放置して姿の見えないホルマジオの気配を伺う。

「ホルマジオ…いるの?」
「ルール説明の時からずーっと居たんだけどな。」

よお。と気楽に挨拶するホルマジオが、いきなり現れた。……ステルス系のスタンドかと危ぶんでいたら、彼は自分でネタばらしをした。自分のスタンド、リトル・フィートの能力で小さくなって朝、メローネに忍ばせてもらい、他の仲間と連絡を取り合って共闘する。ペスカを倒せばホルマジオにも休みが渡る。だから、ペスカと巡り会わした。と。今になって彼に家具を選ばせたのかと、リゾットの采配に納得がいった。

「リゾットにも連絡を入れたから俺は最低限の仕事は終わったからな。お前を助けるついでに出てきた。」
「そう。…その前に。ホルマジオ、リゾットに送る用に写真を撮って。」

ぽい。と軽くホルマジオに携帯を投げ渡して、縛られ悦に入っているメローネとツーショットしたくないが、しないとルールは成立しない。

「とるぜぇ。」

かしゃり。なんて音が聞こえて携帯を返してくれた。有難う。といって、手早くリゾットにメールを飛ばす。

「ペスカ、どうするんだよ」
「メローネをボコボコにしてから考えるわ」

にっこり笑って自分と重ねたスタープラチナでメローネを壁にめり込ませて、メローネとの対決を終わらせて、ニッコリ笑って彼女は言った。戦う?それとも止める?ホルマジオはこの狂戦士を目の前にして、ふん。と鼻を鳴らして笑った。

「軽く、な?」
「あら、勝負はいつでも全力よ?」

追撃にくるリゾットがくる前に終わらせなきゃねー。なんて言って、ホルマジオにならいスタンドを呼び出す。今回は前からしたかった対戦カード、同じスタンド同士。ホルマジオが趣味わりぃ。と言うが至極光栄。同じ能力、同じスタンド。なら違うところは使い手のレベルと体力だ。





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