アジトから少し離れた路地裏でソルベとジェラートに出くわした。ヤバい、と判断して、距離を開けた。彼らがどういう人間かも何も知らない。情報がなさすぎて手の繰り出しようもない。 戦うべきか戦わざるべきかどうするか迷っていたらジェラートがはぁい!とこちらにお出かけの節は、是非お立ち寄り下さい手を振ってきたので友好的な近寄ることにした。 「ペスカ。がんばってるみたいだね!」 「プロシュート倒したんだよな」 「ん、まぁね。」 「残りは6人だね。頑張ってね」 「6…人数間違ってない?、ジェラート。」 うちのチームは私含まず8人だ。プロシュートを倒しただけなので7人のはずだが。と考えていたら、ジェラートは答えを出した。 家事とかご飯作るの好きだし。僕は権利は放棄するつもりだよ。まぁ…ソルベはやる気だけどね。 9人分作るのは面倒だしねー。 ジェラートの一声と空を切る音を聞いたのは同時だった。慌てて上体を反らせば間一髪で交わすことに成功した。 「スタンドは苦手でな」 「そ。私は拳は苦手なのよね…。」 構えられたら構えるしかない。そっと拳を握れば、いい構えだ。とほめられた。まぁ、殴り合いの教育者である片割れが喧嘩番長だったのが今に活きる。なんて、人生なにがあるのか解らないものである。良かったね承くん、誉められてるよ。いや、誉めてるよ。 「でもこういうのも悪くはないわね。」 「だろっ」 飛んでくる拳を捌いて、ソルベの脇の下に潜り込み、背後を狙う。そこまで読まれたのか、後ろ回し蹴りに発展した。足に手をついて、飛び越えて壁を蹴る。 スッと、地面に足をつけばソルベが口笛を鳴らした。 「やるな」 「昔、教育者とちょっとした恩恵でね。」 こう体がうごく吸血鬼スペック最強だわ。太陽光がなければね。 「とりあえず、互いに全力を尽くすわよ。」 「…っ」 一瞬ソルベが怯んだ。タイミングを狙って一気に距離を詰めた。拳を放つために開いた脇の隙をついて、すたりと、ソルベの背後を取って喉に爪を添える。長くて薄い刃のような爪がジェラートの喉を捉えた。 「はい。一本ね。ジェラート承認と写メよろしく。」 ポイッとジェラートに携帯を投げ渡し二人でツーショット。ただし爪が鋭利で首もとを狙ってなかったら。の話だ。女は何でも武器になる。なんて聞いたような気がするが、気のせいか。 「あぁ。そうだ。ペスカ」 「なに?ジェラート」 「ホルマジオには気をつけてね。このヒントぐらいあげないと可哀想だしね。」 クスクス笑っているジェラートに首を傾げた。なにが楽しいのだろうと考えたがる解らないままで、きっとわかる日が来るから安心しなよ。と言われてペスカはうやむやにしながら、ごまかして携帯を返してもらい、じゃあね。と踵を鳴らした。 「…なぁ。」 「どうしたの、ソルベ」 「あいつの目、赤か?」 「黒だよ。」 「気のせいか」 「そうじゃないかな、今日どうする?」 ジェラートから話を振られたソルベは一瞬考えてなんでもない口振りで言う。アジトでプロシュートでも見に行くか。と二人で、笑いあいながら帰路を辿る。 「怪物だな。」 「なにがよ」 「赤。だったらな。」 「まだペスカの目の色気にしてるの?」 ちょっとひかかってな。赤なぁ。赤い瞳のスタンド使い。どこかで聞いたような気がしたが。いつだったかな。とわ淡々としたソルベに、ジェラートも、さぁ。わからないよね。と思考する事もせず投げ出した。 前 戻 次 ×
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