昔の夢を見ている。街中を分散して一旦逃げる最中、遠くで時計台が割れた。そこに見えた影に酷く背中が冷えた。信じたくなくて駆け出した。お祖父ちゃんのスタンドを呼び出して、茨を使い建物の屋上を難なく進む。 そうそれから。片割れと落ち合った刹那の急襲により、私も死んだ。一時は。 そして誰の記憶かわからない映像ばかりが巡る。DIOかおじいちゃんか私の記憶。私の時間はそこで止まりっぱなしだ。 映像が淡く溶け、目を覚ます。あぁアジトだと、すこし時間を経て理解した。ふいに声をかけられて音の方を見れば怪訝な顔したギアッチョが 「ペスカ。うんうんうなされて大丈夫かよ」 「…ありがとう。気持ちだけ貰う。」 「んだよ。二日酔いか?」 なんでもない。昔の夢だから。ぶっきらぼうに吐き出してペスカはエメラルドグリーンの瞳を閉じた。また同じ夢を見たら泣いちゃいそうな気もしたから、仕方なく起き上がる。ホルマジオに絡み酒してからの記憶がない。酔いつぶれたんだ。と自身に納得して、息をついた。 「飯だってよ」 「ん。」 ギアッチョの手を借りて起き上がれば、時刻は昼間。結構寝てたな。と思っていたらあくびが零れた。 「ま。頑張れよな」 「…何がよ。」 「後々わかるぜ」 あっそ。何が起きるのよ。とギアッチョを睨みつけたがる彼はペスカの視線に気付かず、ギアッチョに導かれるように鏡の前にたたされた。 「イルーゾォ、連れてきたぞ」 「え?入るの」 「鏡の前に立ってんだから、それしかねぇだろがっ!」 「ペースト、イルーゾォ、マン・イン・ザ・ミラー。私とギアッチョを許可する」 うさぎは見慣れた仲間のスタンドに姿を変えて、ペスカは気にせず鏡の中に入った。隣のギアッチョは口を開け、現状を把握出来てないようにも見えた。 「イルーゾォのスタンドじゃないと入れないクチ?」 「いや、んなこたぁ。ねぇが。」 「なに?マザコンならぬスタンドコンプレックス?」 ケラケラ笑いながら、ギアッチョのスタンドも許可する。と文言を吐き出して鏡の向こうに姿を消した。 「イルーゾォのスタンドまで使えるのかよ。」 そんな呟きをギアッチョは零して、ペスカのあとを追いかけるように鏡に入った。鏡の世界に入れば、他のチームのメンバーが姿を見えた。 「ペスカ。起きたか」 「おはようリゾット」 鏡の世界をぐるりと見渡せば、ホルマジオが居ないことに気が付いた。空気間もすこしなにか違う。そわそわしてるような雰囲気もある。ペスカは首を傾げて、ソファに身を粉に沈めたらメローネが朝からハグしてきたのでペスカは呆れながら、包容しかえす。 「さて、とりあえず。始めるか。」 リゾットのそんな声で空気が変わった。 「始める。って何を。」 「今からちょってしたテストだ。」 戦闘力を計るために。ペスカ、お前にはこの鏡の世界で全員と戦ってらう。模擬戦だ。見てるだけではわからない戦いもあるしな。とリゾットが言うのを聞いて、ペスカはちらりと時計をみた。この時間ならリミットはせいぜい3時間。それまでになんてか終わらせなければならない。 「ペスカを倒した者に3日間の休みを与える。無論、料理当番もパスだ。それを全てペスカが3日間担当すること。」 「それ…私になにもメリットなくない?」 「ペスカが俺達の半分以上倒す、気絶、投降させた場合、組織からの命令以外の任務を倒した人数分の日数を外す。飯担当もな。」 なんか割合が微妙な気もするが仕方ない。 前 戻 次 ×
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