ブチャラティと地図を広げ歩くルートを決めていたら、ミスタとアバッキオが帰ってきた。どうやらミスタのスタンドの一体を私に添わせるらしい。 工程は簡単、アバッキオと一緒に街中を歩き、途中で別れ単独で歩く。一人暗い夜の道を黙々と。 暗殺者にこの任務渡した方が良かったんじゃないかとも錯覚するが、地の利は彼らにあるのだから仕方ない。 瞬く間に夜になり時間が来る。望んでもないが仕事だ仕事。割り切った私は、昼間ブチャラティと服を買いに行き。経費は組織で、終わったら私のものだ。ラッキー。 「行くわよアバッキオ」 「今から、人殺す目するなよ。」 「ふふーん。」 ふいっとアバッキオの腕に絡む。隣がうちのチーム…ならと予想してみた。リゾットなら普通に歩き出しそうだし、メローネならお互いにハグ以上になりえそうだし、プロシュートならしなかったら説教、ホルマジオなら鼻の下延ばしてそう、うんホルマジオ女運なさそう。イルーゾォなら赤くして鏡の…こらこら逃げるな。ソルベとジェラートなら、あー間に入りたいわね。なんて遠い場所にいる仲間を思い浮かべてたら、アバッキオに小突かれた。 「なによ。アバッキオ。ちょっと痛いっ」 「変にニヤニヤしてるから何かキメてるのかと思ったが、もとからその顔だった。」 「うっさいわよっ」 オメーラ、モット、ラシクシロヨー!とミスタのスタンドの一体が訴える。ホル・ホースににた能力らしいが。まぁ、似た能力の1つや2つ。よくある話だ。 「ねえ。アバッキオ…なんでもないわ。じゃ、またね」 「気をつけろよ」 「大丈夫よっ。こんな女好き好んで襲わないわよ!じゃねっ」 耳元で、大丈夫よ。闇に生きる女だもの。クスクス笑いながら囁いて、絡めてた腕を放して、闇の中に走り出す、餌は撒けるだけ撒いたもの。年甲斐もなく穿かされた。下着が見えそうなくらいのミニも、仕方ない。後ろでアバッキオが呼んだ声がしたが、振り返らない。 仕事柄の気配。というのはなんとなく気がつくようになった。うちのチーム自体みんな気配の消し方が上手なので困る。いきなりピュッと声がかかってびびる。何てことも減った。なんとなく、そういう、見られてる感と言えばいいのだろうか。そんなのはぼんやり解る。もしかしたらチームのみんながそうしてくれてるのか、は知らないが。後ろにちらほらいる。この中にブチャラティやらアバッキオやら、も混ざっているのだろうかとぼんやり思った。 「ペスカ、キタゾ」 足音の速度が上がって、音が寄ってくる。ギリギリまで引き寄せて、足払いをかければ、ちょっと掠めて距離をとられた。 「あんたは本体に連絡。」 「キヲツケロヨ!」 「おっけー」 ミスタのスタンドが飛んでって、犯人と思しきのとにらみ合う。「最近噂の連続犯?」と声をかけたが反応はない。体がゆらりと動いたかと思えば、一気に距離を詰めて、私の腹に手を伸ばした。その手にあるのは、月光をうけて鈍色に光るナイフ。こちらに武器はたくさんあるがそう易々出せる都合はない。 身をひねらせて、しっかりとした地を踏む。履き慣れないヒールが痛み訴えを起こすから、脱いで、地を踏む。 不幸ながらの幸いは体質のおかげで夜目は利く。くるならこい。スタンドはいつでも呼び出せる。まぁ、スタンド使いにしろ使いじゃないにしろ、殺される前に殺す。それだけだ。 「黒髪は、綺麗ですよね。長くて綺麗なら尚更、私の恋人として、十分だ。」 吉良タイプ、かっこ、髪の毛ばーじょん、かっことじる。犯人確定と、小さく笑って、私は構えて、正面の男しか気にしてなかった。 前 戻 次 ×
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