ジョ長 | ナノ


リビングで食後のお茶をして、ふと部屋から出てきたばかりのホルマジオと目線があった。呼びかけると、なんだよ。とこちらに寄ってきた。

「今日はごめんね」
「かまわねぇよ。これぐらいならな、」

さすがに下着は勘弁してほしいがな。というホルマジオに珈琲要る?と聞いて席を立つ。リビングのテレビでは海の特集をしているらしく、聞き慣れた声が聞こえて、小さく漏らす。「…げ。」いい大人が使うのもはばかれたが、出てしまうものは仕方ない。
大事な大事な片割れが真面目な顔をしてテレビに出てるー。イタリア語まで使えるようになってたのかよ。テレビで海の生き物の解説をして最後に、双子の片割れを探してる。と言い、昔とった写真…しかも、もうかれこれ十何年前の写真なんですが、と言ってテレビに写るの片割れは、まだ吸血鬼じゃなかった頃の私の姿を映した。隣は花京院が笑顔で写っててちょっと悲しくなりながら、ホルマジオに珈琲を渡して、またもとの位置に落ち着く。

「ペスカに似てるね。」
「あら、ほんと!」
「お前じゃねぇのかペスカ」
「何年前から私老けてないの。アラヤダー。どこのスタンド攻撃ー?」

テレビの前のソファーの仲間たちから言われて、茶目っ気たっぷりにいうが、やばい。なんて考える。片割れに心の中で悪態をつけど届くはずもない。任務中にちょっと連絡を取らなければならないなぁ。という思考は隅に押しやった。

「そうだよなー十数年前ならチンチクリンだよなー、」

残念、そのころから私は変わって無いんですよねー。とか思いつつも、それは言えない。テレビは画面が変わり空条博士の水族館展なんて大きく宣伝している。監禁が終わったら行くか。とぼんやり考えていたら、ホルマジオはテレビのCMに映る猫を見るために視線を動かした。

「さっきの奴、最強のスタンド使いとか。って噂を聞いたんだけどよぅ。」

目線はテレビに向いたままだが、私に話を振られたのがわかる。どんなスタンドなんだろうな。と続けて言われて、ちょっと困る。知ってる。けれど、それは言えない。から、見た目力で押してきそうね。と濁す。長いCMをぼんやり眺めついたら、隣の椅子が動いた。音に気がついて視線を動かせば、ジェラートが、寄ってきた。

「ペスカ?」
「えっと、ジェラート。よね。」
「甘いものは好き?」
「普通に好きよ。」
「ならよかった。任務帰りにバールのお土産冷蔵庫に入ってるから、よかったら。」
「本当!やった!」

甘いものは好き。普通のフルーツよりも、生クリームベタベタなのが好きだけど、胸焼けしちゃうのよねー。

「俺とソルベから、お見舞いと、チームの加入記念に。」
「ありがとう!」

やだーうれしい!。とバタバタ冷蔵庫にかけて、ケーキらしい箱を開き一切れを取る。生クリームの多そうなのを選びルンルン気分で席に座り、頂きますと手を合わせて、一口。

「うっまあああっ!」
「そう、ならよかった。」
「グラッツェ!ジェラート。」

また、今度お店教えて!といえば、彼はすぐにいいよ。といってくれた。この家族はいいながら優しくて何だかんだ、まだちょっとしかいないのに、もう何年もいるような気がするチームで。心のすみがほっこりして、食べる姿をみられていたら、リーダーがふらりと私の前に座り、少し言いにくそうに、こちらを見た。

「お仕事?」
「あぁ。違うチームにペスカを派遣しろとの指示だ。」
「は?なんでうちから、なんだよ!」

ギアッチョが声を荒らげる、そんな言葉に引っかかりを覚えながらジェラートにごちそうさまでした。と告げた。



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