アジトに流れ込んで、一目散にリビングに転がり込めば誰もいないハズの世界に唯一存在できるイルーゾォが漫画を読んでくつろいでいた。音に気がついてお帰りーなんて声がかかってくる。 「イルーゾォっ、ペスカがっ」 「ぷ、プロシュート?どうしてここに…って、えぇえ!?」 俺の世界にどうして居るんだよ。って、なんでペスカがこんな。リゾットのとこに行こう。一瞬慌てたイルーゾォの思考がペスカのスタンド能力を思い出したのか、納得してスタンドを呼び出して、世界を移動する。 「リゾット呼んでくる。」 「イルーゾォ早くな。」 足音を鳴らしてイルーゾォがリビングからリゾットの事務室に走り出した。近くにいたホルマジオにタオルとってこいと指示を飛ばし、タオルを敷いたソファーに寝かせる。事態を聞いてか、リビングにそろそろと面々が集う。 「メタリカ。」 一番最後にリビングにリゾットが飛び込んで来て、流れ落ちた血が傷口を塞ぎ脈を取る。弱々しいがまだ大丈夫だろうと判断して、電話を取り出した。二三のやり取りをして、リゾットは通話を切り、プロシュートを見た。 「何があった」 「カウンターのようなスタンド使いが居た。」 カウンター自体には気がついて、頭を殴ったら、俺も目を回して…気を失った。気を失う前にハイヒールの音がこっちにきていたがら、恐らくは。とチラリとペスカを見る。喉に肩に真っ直ぐな線と貫通した腹をみる限りカウンターを喰らったんだろうな…。 「修復するスタンドの能力持ってる奴いた、はずだよな。」 「ぁ゛?ならすでに傷を治してるだろうがよぉ。」 治さねー。ってことはそう言うことだろうが。くそっ。柱を蹴り、ギアッチョは八つ当たりをする。メローネは慣れた手つきでペスカの首やら形に包帯を巻き、濡れたタオルで拭える血を拭う。ソルベジェラートは任務で外にいるが、明日朝に帰還の連絡が入っている。沈黙の中、メローネがタオルを洗う水の音だけがただ聞こえる。傷だらけのペスカが気になってか、チームのメンバーがリビングから離れず、夜ご飯の支度やらメローネの作業を見守ったり、各々が違う事をして、ペスカが目覚めるのを待った。一人二人とリビングから消えて、気がつけば日付が変わる手前にリビングで仕事をするリゾット、ひたすら看病に徹するメローネ、ぼんやりとペスカの向かいに座るプロシュート、その隣で酒盛りするホルマジオがいて、ふとペスカが目を覚ました。 「…ん?」 「あ。ペスカ起きた」 「…メロ……ネ?」 「痛みは?」 ん、まぁ。とか答えて起き上がろうとしたら、ホルマジオにそんな傷だらけで無事とか、んなわけねぇだろ。とまた沈められた。地味に腹が痛い。 「ペスカ。任務について報告だけしたら、大人しく寝ろ。後で医者に連絡する。」 「…医者…?2日寝てたら治るわ。治してみせるわ。医者はダメ。」 「ペスカ。お前死にかけてたんだぞ」 肉体の損傷の回復には自信はあるわよ。とりあえず報告はスタンド使い3人の内2人死亡、一人はスタンド使いからスタンド使えなくしてるわ。ターゲットの死亡は確認してるわよ。 「三日間…三日間で傷が塞がらないなら、連れてって。」 「…返ってきたら、ソルベに軽く見てもらえ。」 「えぇ。」 それから、二週間アジトでの謹慎処分とする。リゾットから出た言葉に不服そうに、はい。と言うしかない。血にふれて吸血鬼にはならないのは、昔に試された。問題はない。おとなしくしてろ。と言われペスカは息ついた。 「ペスカ。」 「なに、プロシュート」 前 戻 次 ×
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