ジョ長 | ナノ


カンカンカン。と靴音を鳴らして走れば、プロシュートの声が聞こえる。スタンド攻撃も始まってか、手とか老化が始まってる。プロシュートの声が聞こえて、沈黙。死なれてたまるかと、ハイヒールを脱いでスカート?知らねえな。ヤケクソになりながら走る。

「ペースト、広瀬康一。エコーズ、アクト2。」

呼び出したスタンドの尻尾文字で、自分を冷やして会場に殴り込めばプロシュートが血を流して地に伏していた。倒れたばかりなのか、解らない。慌てて駆け寄ろうとしたら、真横から刃が飛んできて身を引いた。

「まだ、生きてる奴がいるのかよ。」
「俺のスタンドなら、コイツをはめれる。」
「あぁ゛?やれるもんならやってみろってんの」

血の匂いはない。なら、近距離の癖に特殊効果が有るのだろうか。検討をつけながら、先を睨む。こんなところで死なれたら困るのは私よ。

「…ペースト、東方仗助、クレイジーダイアモドン。」

呼び寄せたスタンドと後天的な身体能力で相手のスタンド使いを飛び越えて、プロシュートの傷を元に戻す。

見たところ異常はないが念の為。愛人みたいな能力かとも考えたが、考えるのも面倒になってきた。近距離はフェンシングみたいな細い剣の刃を伸ばす。後一人は見つからない。

「お前、どこの組織のものだ。」
「ハン、答える義務はないね。」

煙はまだ微かに弱く残っていて、向かいの男がやんわりと老化していく。尻尾文字を使っている以上、他の能力に変化するのは危険だ。ならば、普通の人間より優位に立てる血だけが、今は信用すべきモノだ。対面に立つ刃の男が、刃先を伸ばした。するりと横に反れて、男の懐に入り指先を揃え抉るように体を突き抜けさせる。嫌いだったこの血が、こんな所で役に立つとは。なんて思考が浮かんだが、隅に追いやり、貫いた手を引き抜く。白のドレスに返り血が飛ぶ。せっかくのチームからの貰いものなのに。銀の刺繍に飛び散る赤を睨みつけ、老化対策に尻尾文字を張りなおす。

「…まずは、一人。っとあんたが噂の中距離野郎?」
「あいつ喋っちまったのかよ」

正解かよ。ギアッチョより分かりやすいなお前。と裏手つっこみいれかけたが、中距離ならば片付ける方法は一つ。

「短期決戦だよ、このやろう。」

自分の言葉をスタートダッシュに、地をかけて詰め寄る。男の子目の前で深く沈み、そして、足のバネを使い鳩尾に頭突きを喰らわせる。ちょっと情けないが、これぐらいがちょうどいい。頭突きのついでにラッシュを決め込むヴェルデの力は弱いが、回数で稼げばなんとななる。最後の一発を爪立てで頸動脈を引っかいてやれば、頭突きの時点で気を失った中距離スタンド使いの男の首から血が流れ出る。あとは最後の一人。
キュンと火線が飛ぶ。耳飾りが飛んだのもこれか。と納得がいく。見頃に遠距離だ。妙な納得をしながら、慣れた言葉を紡ぐ。

「ペースト、花京院典明。ハイエロファントグリーン」

プロシュートを守ってあげてね。と言葉をかけて、ハイエロファントグリーンでプロシュートのために結界を結ぶ、打ち抜かれても困るから、ハイエロファントグリーンでぐるぐる巻きにして、素肌も出さぬようにしてペスカは、足元を見る。火線の元を調べる。方向は掴んだ。

「さぁ。闇夜の生き物に牙を向いて、易々帰れると思ってる?」

幸い屋内。制限はない。あとは、血の匂いで理性をぶっ飛ばすだけ。そのための目隠しで、そのための手段だ。たくさんの血が流れるこの部屋で、思考することを止めて、手加減なんて悪いが出来ない



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