「綺麗な血の色だね。」 「ありがとう。」 採決の終わった血を瓶に詰め替えたメローネは、私の血を電球に透かしながらその色を見つめる。吸血鬼の、っていったって1割・・・ばれない 、多分ばれない。スタンド能力で吸血鬼ばれてたまるか、そう、ばれない。ばれないで欲しいなんて思う。 「麻薬ドラッグはたしなんでないんだね」 「してたらこんな場所に居ないって。」 薬漬けで監禁されて能力を指示通り使うだけの人形よねー。ほら、モルモットみたいなのになってたのよ。と嘘と事実を混ぜながらけらけら笑 う。些細な嘘と些細な事実を混ぜ込んで、やれやれだわ。と肩をすくめる。そういえば、と、メローネが話を切り替えた。モルモットって。 ペスカどんな生活していたんだよ。と、見つめられる。 「家の家系柄、特殊な血ってやつでね。どう使われてたのかも、よくわからないわ。」 肉の芽用に、なんだかんだ採血されて。なんだけれどね。あいまいに笑っていたら、メローネに笑わなくてもかまわないよ。なんていわれ た。あれ?なにこれ。どっかのフラグ?地道に詰め寄ってきて、隣に腰掛けて、肩を抱かれる。なにこれ、ちょっと待て。 「笑ってるかしら?」 「笑ってるな。無理して」 「・・・そう?」 「そうだよ。ペスカ、なんかつらそうに笑ってる。」 つらそう。か。さぁ、どうなんだろうね。何がつらいんだろう。今の現状が?このチームが?それともこの血に対してか。判らない、若りたくな いし判ろうとはしない。判ってしまえば面倒な気もする。 「なんだか、前にも言ったけれど、フラテッロのようで、違うって言う言葉がぴったりなのが見つかったわ。そう、ファミッリアよ、忘れてたわ。」 感じていた感覚はこれだったのか、とも思えるぐらいにぴったりで、ちょっぴり泣きそうになった。暗殺の世界の癖に、家族みたいに、暖かく てここのチームが優しくて、彼らの仕事でさえ錯覚を覚えてしまう、妙に泣きそうでどうしようもなくなって、またちょっと片割れが恋しくなって、昔 が良かったな。ッて思ってしまって。小さく握ったこぶしが、痛みを主張せども、それも気にせずに、ここが裏世界の深淵だというのにもかかわ らず、一番人情味にあふれてて、いうなれば家族愛で包まれている。ブチャラティのチームとは違う愛情はきっと、あのチームは家族愛よりも 親愛の言葉がぴったり来るような気がする。 「どうしてあんたたちが、こんな世界にいるのが悲しいわよ。」 「ペスカが俺たちのために泣いてくれるのが幸せだけれどな」 「・・・なんであんたたちがそんなことを言うのよ。」 もっとがんばれば幸せになれる道あっただろうに。もう・・・。 なんだか、悲しくなってわんわん泣いていた。これが表に立てるのならば彼らにもまた違った希望があっただろうに、だなんて泣いてる私がだんだん偽善者のようにも感じてきてなんかメローネのために泣いてるのが馬鹿らしくなってきた。 前 戻 次 ×
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