見てるからな。じゃなくって!見られて緊張してるんですけれど!困ったように目線を動かせば、リゾットの隣の半裸にジャケットの男が、ハァ。とため息をついた。マットを見れば、プロシュートと書いてる。そんなプロシュートは、「リゾット。ジャポーネは照れ屋なんだから、もっと影から見ろよ」なんて救いの声?、ってか影からかい。裏手突込みが炸裂しそうだったのを抑えて、息を吐く。緊張で、フォークを落としそうになりつつも、必死に押さえ込む。大丈夫なのこの、暗殺者たち。 「そこまで人を殺しました。という感じがしないな。」 「・・・そう?」 「人をはじめて殺したなら、罪悪感に苛まれる物なんだがな。」 確かに人殺しに初めて、ということはない。この請負で仕事をしている以上そういう仕事も来る。スタンド絡みの仕事しかしないけれど、もしかするとこの血に流れる微妙な悪の・・・DIOの血がそうさせてるのかもしれないな。と頭の隅で思った。 「家から逃げるときに多分一人殺した。覚悟はできてる。そう・・・してる。」 口から出任せをしている現状を無理くり事実にしてるようなのは、きっとばれる。この近い日に。それまでに見つかればいいんだけれどなぁ。なんて思うと同時に、先を見つめる。自分の手を見つめて、過去を思い出せば人を殺したりとか、なんだかんだ思い出して、冷たくなってるのが判る。 「まだ、平気よ。」 「なに、心気臭ェ面してんだっつーの」 声は上から振り、ひょいと、私の皿からおかずを奪った。視線を上げればギアッチョがもぐもぐ口を動かして、彼が主犯だと判別できた。ちょっと!と声を荒らげたら、ホルマジオがおかずをよこしてくれた。なによこれ、私が食い意地張ってるみたいじゃない! 「それが仕事だ。割り切っちまえ。」 「・・・そうよね・・・。」 割り切る。相手が生きなければ私が死んでた。それだけ。それだけではないんだろうけれど、そういう理由にしておかないと、なんだかめぐりめぐってずっと自問自答しているような気がする。 「生きるために戦うわ。そうよね。じゃなかったら私は死にに行くものね。」 (設定上)後にも帰る場所も無いわ。といえば、隣から何か聞こえてきたけれど、なんていわれてそっとギアッチョの足を踏んでおく。なんか一瞬ギアッチョが詰まったので、どうしたのー?なんて言う私はかなりの猫かぶってるんだろうなー。なんて思いながらもそもそホルマジオの作ってくれたご飯に舌鼓を打ちながらその味をひたすらリーダーに見つめられながら、食べる作業に専念する。 前 戻 次 ×
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