「ペスカ、買い物行くぞ」 「ジェラテリアに行きたいわ!プロシュート」 かまわないから早く支度しろと訴えられてペスカは、さっさと自分の部屋に駆け込んで、慌ててリビングに駆け戻ってきた。 「支度…したわよ。」 「息切らすほど急がなくても。いいんだが」 「嫌よ。ジェラテリアが逃げちゃう」 「逃げるかよ」 軽口を叩き合って、二人で家を出た。車回してくるから待ってろ。と玄関先で待機してたら、ホルマジオからお使いを頼まれた。酒やらなにやら言われたがプロシュートな言ったら大体解るから。とよろしくを残してホルマジオはアジトに滑り込んでった。またしばらく待ってたら、組織支給の車がペスカの目の前で止まり、乗れよ。とプロシュートが顔を出した。 「さっきホルマジオが買い物よろしく。ってさ」 「またかよ。仕方ねぇな。」 プロシュートが頭をかいて、またハンドルを握り車は滑り出して景色を塗り変えていく。 「プロシュートもホルマジオも、チームのマードレね。」 「普通はお前がやるもんだぞ、こんな役。」 「毎日殺人事件起きちゃうけど?」 ママのご飯しか経験ないし、簡単なおやつぐらいしか作れない。杜王に越しても、べつに食べる気力もなかったから食べてないだけで。 「特訓するか。」 「あぁ、スタンド使っていいなら話は別よ」 「そんなスタンド使いもいるのか」 でも、あんまり使うことはオススメしないけどね。クスクス笑いながら、ペスカは街に視線を移す。視線の先には、出せるところ全部だしましたー的なお姉さまが可愛くプロシュートに手を振ってる。 「モテるわねプロシュート」 「イイ男だからな」 自称イイ男は鼻で笑いながら車のエンジンを吹かして、風をきる。 「そう言うお前もイイ女だよな。」 「イタリアーノは軽いからねぇ」 「イタリアーノのは、そんなもんさ。」 「フランスに負けず劣らずなのね。」 さすが情熱の国だこと。皮肉めいて、サングラスをかけ直す。視界がセピアに色ついて、鮮やかな緑も写真のような色合いに落ち着く。 「綺麗な目を隠すのか?」 「女の大敵紫外線から守るためにねー」 慣れと訓練である程度ならその日の内に回復はするが、ある程度のデッドラインを越えない為にも防御は必要なのだ。 「ペスカ、着いたぞ。市場に入り必要なものを買い込んでから、ジェラテリアな。」 良いイタリアーノのはそう言う約束はきちんと守るからな。と子供みたあに扱って私の頭を撫でる。人ごみの市場で、ちびっこいから繋がれてろ。とプロシュートに手をとられ歩く姿は、宇宙人の連行のように感じて笑ってしまう。一人クスクス笑っていたら、バカか。と額をつつかれつつ野菜やら肉やらを探して買い物をしていたら店主が、新婚さんか?と冷やかしてくるので、やんわり否定しようとしたら、プロシュートが、そう俺の。と私の肩を抱く。 恥ずかしくなって、暴れてやろうか。なんて思ったがマンモーナだな。と言われた気がして、暴れてないですが何か。の風体を装って笑い、仕返しのように胸を押し付けて抱きついて背伸びして頬にキスを落とせば野菜を少しオマケしてくれた。 「良かったわね。ダーリン」 「ペスカ、胸押し当てるな」 「えー。イイイタリアーノのは冷静に対応するんでしょ。」 「イイ女は安売りなんてしないってんだ」 軽いお叱りを受けて貸せ。とプロシュートが私の荷物もすべて持ってくれた。このイタリアーノに勝てる手段がスタンドバトルしかない。と言うのはちょっと悔しい。 前 戻る 次 ×
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