正直に私から見たメカクシ団と言えば対等であり対等でないと思っている。どれだけ欺いても見ようと意識すれば見えるし。どれだけ隠しても直ぐに見つけれる。だから不定期的にセトから盗まれる事と主張する事に隠し立てがないことで平等が成り立つ。ただし、私は私自身に目を向けないことにより、隠せる。存在も表情も過去も記憶も。自分自身が向けないことで、盗ませないことに発展させてる。 だから、対等な関係を維持出来そうで出来ているのかはムツは知らない。多分出来ていない。バレたら怒られるけど、あの人の願いだから隠し続ける。 対等でないね、と考え事をして歩いてたら、服を掴まれて首が締まり、とんでもない音が鳴る。 その根元を辿れば、ムッとしたキドがこっちを見ていたから、どうしたの、と問えば今来た通路を指差して「ムツ、バス停あっちだぞ」と言い放つ。 「そうだっけー?ごめんごめん」 「ムツ。お前」 「キドは考えすぎ。昨日の今日だから心配するのも解るけど。えーっと、水族館だっけ行くの」 「さっきから遊園地だと、何回言ったと思ってる。」 「ほらほら、キドもムツも急がないとキサラギちゃん達待ってるよ。」 キドの能力が必要なんだし、早くしないと人だかり出来るよ。と言われムツはキドの後ろを歩き出した。 「体調悪い?」 「そんなことないよ。」 「嘘、ばっか。」 「カノに言われたくないけどね」 軽いやりとりをしていたら、思い出してしまったからもう一度目を向けないように施せば、世界から一瞬色が抜けた。あぁ、能力の反動かな。と納得して髪を結び、ムツは首を傾けた。しっかり結べました。を装い肩を慣らしてバス停にむけてムツ達は足を延ばすのであった。 「みんな、元気だね、」 「ムツ暑くないの?」 「それキドに言ってやってよ」 私の腕は、オトウサンに殴られた言えぬ傷が残り続けてるのだから。そう易々だして空気を悪くしたくない。から薄手のカーディガンやら、パーカーやらが手放せない。 「は?」 「ま、アイデンティティだから追求しないけど。バス来たよ。」 空いてるといいなぁ。なんて思いながら眼前にくるバスに乗り込んだ。並んで開いた席に座り、シートに深く座る。キドは音楽を聞いてるので、カノと並び、流れ行く景色を眺めていく。 前 戻る 次 ×
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