たどり着いた集合場所。親父さんは事務所。て呼んでる場所、一階のほぼほぼを駐車場で占めていて、駐車場の脇の扉を中心に警察がいっぱい立っていて、黄色のテープが張られていた。。 「通して!」 小さな私が通して、と言ったことに驚いたのか、一瞬の隙をついて中に駆け込む。君!と呼ばれたが、知らない人よりオトウサンの言うことを守らなかった方が怖い。階段を上り、親父さんのいる部屋の扉を開けたら、地面に赤を散らしたオトウサンの仕事仲間と物言わぬ親父さんが、そこにいた。 「…親父さん、起きてよ。」 ねえ。オトウサンを呼んだのに。どうして、親父さんは寝てるの…ねぇ…返事を、してよ… それからのことはよくおぼえてない。聞いた話を要約するならば親父さんの仕事を快く思わない人たちが、親父の事務所を襲撃したらしい。警察から聞いた話だが、あんまりよくわかってない。 仁義や任侠で生きる世界の私には、身よりもなにもいなくなり、そんな世界で生きた私を孤児院側が拒否をする。 私、でなく私の経歴が世間は目を向けたがらない。 偶然ひきとられた孤児院で、見えた未来を口にしたら気味悪がられて、赤い目が拒否されて、また違う院に移される。それが私の過去の悪夢。 だいじな人がいなくなり、世間から目を向けてもらえなくなった私のトラウマ。 別に、向けて欲しい訳でない、私を私として認めてくれる場所が欲しかったんだ。 「…ん…」 意識が、ふと覚醒した。 見慣れた天井と慣れた肌触り。…あぁ、自室だと理解して、ふぅ。と息づく。嫌な夢だった。それにしても不思議な夢だったような気がする。 「あ、ムツ、起きた?」 「起きたよ、カノ」 ふう。と息を吐き出して、手近に転がされてた携帯を手にして時間を確認する。夜ちょっとの時間。デパート行ってからなにしてたっけと考えれども、思い出せなかった。 「目、ちゃんと黒だね」 「暴走しちゃった?」 「キドが探して、セトが背負って帰ってきたよ。」 キドにもセトもに謝らなきゃね。 誤魔化すように笑って、今晩のご飯なに?と問えば、ムツが買って来なかったからないよ。みんな飯抜きだよ、ムツのせいだからね。と返答が来て、カノと盛大に殴り合いが始まるのであった。 「どう言うことだカノォッ」 「イタタタムツギブギブ、腕逆向きになってる!ねムツ!」 前 戻る 次 ×
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