それからエブラーナに居る間は、二人で組み手やらをずっとやった、主にエッジがやらかして、サメラが怒鳴り散らして、武器を振り回し一方的な攻撃であった。 逃げ回るエ彼のおかげでエブラーナの地理に明るくなったサメラは、人のこない景色のいい場所にたどり着いた。 追いかけるに最中見つけたこの場所は誰も来ないからおちつける。綺麗な空気が、サメラの髪を撫でる。きらきらした銀は、太陽の光を浴びて、まるで水面を思い浮かべるような澄んだ世界を作っている。 「…ん?」 木々の木漏れ日にきらきら光る何かを見つけ出し。木に登るぐらいならばサメラには容易く、ひょいと目的の場所にたどり着き安定した枝に腰掛けそれを眺める。 「…薬の類…か?」 瓶つめにされた緑の液体がそこにあった。木に揺られたゆたうそれを拾い上げ太陽に翳す。薬の中にまだ溶けきってない粉が入ってるのに気づいた。なにの液体だろうっ、ぼんやり考えていると、おいルドルフ。と聞こえた。 キャラバンの団員はだいたい団員の名字を借りてるが、ルドルフと呼ぶ奴なんていない。…否、一人居た。 「エドワード、何のようだ。」 「団長からルドルフに伝言。そろそろ。だってさ」 それを聞いてサメラ、そんな時期かどうか納得した。エブラーナに居てしばらく。旅立つ日が決まったらしい。 「なにがそろそろなんだ?」 「エブラーナから旅立つ。だってさエドワード」 「んな、また、テメェエドワードって」 「なら、エドワードは私をサメラって呼べ。そしたら考える」 ついでに言うが、名前は親から貰うもんだ、呼ばないと可哀想だろうが。とサメラはムッとしたように、言えば。名前名前。って俺は俺だろうに。と言う一言がサメラの中で、ぶつり。と何かが切れた。 「なぁルドル…ブフォ」 鳩尾に膝蹴り一発入れてサメラはフンと鼻を鳴らし、帰路につこうと歩いて行った。 エッジは痛みに苦しみながら、サメラの背を目で追った。雑に束ねられた銀の髪はストンと下に落ち真っ直ぐな線を作る背中は、悲しみに包まれてるような気がした 前 戻 次 ×
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