2019斎宮宗誕生日記念。 





人形遣いの誕生が祝われる会場の隅でぼくはいったん仮眠をとることにしようとする。入場した時の演奏を調整役に依頼されたのではせ参じたのはいいですけど、それが人形遣いだったとは。まぁ祝われてうれしそうな顔をするのかとどうかわからないので、ちらりと見るとまんざらでもなさそうな顔をしているのが見えた。まぁクラスでも問題なく…?…やっているのでしょう。演奏も終わりましたし、眠気もだいぶやってきたのでいったん引き上げようとそっと誕生日会会場の部屋を出ました。
手芸部で寝てもいいですけど、屋上のほうが日当たりもよさそうでそっちで寝ようかとも思考を回して、移動をし始めると、後ろから僕の名前が呼ばれました。振り返れば人形遣いがそこで立っていて、ぼくは皮肉を口にする。

「ほらお戻りなさいな。主役は逃げるべきではないのですよ?」
「かまわないのだよ。あれらは、浮かれているのだから。」
「あなたには長い友がいるでしょうに。」
「小鳥のほうが長いのだよ。」

ご冗談を。と笑い飛ばしましたけど、まあ奇人と呼ばれる前からの付き合いなので、それもそうなのでしょう。まぁ知りませんけど。

「散々ぼくをストーキングしてきた方ですね。面白いことをおっしゃられる。」

二階から飛び降りてきて、ぼくと歌い踊ろうと誘ってきた時は驚きましたし。同じことを二度もやるとは思いませんでしたよね。なずなも驚いたでしょうに。過去を引っ張り出して、あざ笑えば当の本人は照れたのか、図星だったのか語気を荒げた。そういうところは愛いですねぇ。とか思いながらも本人をなんとか送り返さないと、今日の主役がいないでは会場もさみしいことでしょうに。

「あのころから君は変わらないな!容量も得ない返事をしてのらりくらりと!」
「まあそれはそれで楽しいんですけれど、今日の主役はあなたでしょうに。抜け出さず帰りなさい。」

それともぼくに手を引かれないと歩けないだとかいわないですよね?あぁ引いてあげましょうか?あの時に言った言葉をそのままそっくり使って、周りの耳目を集めるように物事を荒立ててもいいのですよ。ぼくは困りませんけど?
余裕そうに言うと、彼は来たまえ!僕の横で適当にさえずっていろ!欠陥が切れそうなほどの怒鳴り声でぼくの手を掴んで会場の中に入りだす。ぼくはあの時の言葉を口にして、周りを騒然とさせたのだった。まぁ、主役ですから耳目を集めたいんですね。わかりましたよ、ぼくはぼくなりの仕事を使用ではありませんか。そういって適当に言葉を紡いで、片っ端から否定とノンの嵐を周りにまき散らすのですから、まぁ人形遣いは面白いですよね。



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