2019朔間零誕生日記念。 






「今年は晦くんが欲しいんじゃが」
「言っている意味がよくわかりませんけど。」

瀬名くんとの合同誕生日会。相も変わらずご機嫌伺いにきたぼくに、朔間さんはそういう。なかなか言ってる意味が理解でなくて困惑をぼくが浮かべると、あれじゃよ。春にぼくを誘拐したのが楽しかったそうだ。……まぁ言われたらぼくは対応するんですけどねぇ。

「なにがお望みなんですか?朔間さん。」
「吾輩、晦くんとおでかけがしたいんじゃわい。」

…遠くで食器の割れる音がしましたけど。ぼくの聞き間違いであってほしい。否定はしないぼくたち一族なので、否定の文字はありませんけども。朔間さんまよなかにぼくを家から引きずりだすでしょう?ぼくはその時間基本寝てるんですよねぇ。

「おでかけですか。夜に、そんな場所はないでしょうに。」
「またタクシーを仕向けるわい。」
「一週間なんて契約しないでくださいよ。そもそもぼくたちはあなた方に従順であるようにと教え込まれてるんですから。」
「じゃあ晦くん、吾輩の家で吾輩の作った甘いものでも一緒に食べようじゃないか。」
「朔間さん作れるんですか?」

…とても残念な話だけれども想像ができない。凛月さんが朔間さんのために作ってくれるとは到底思ってないんですけども。危険なにおいがするけれども、晦イズムのせいで否定も許されない。頭の言うことは体は従順であれというものなので本当に困った。

「晦くんは甘いものが好きじゃろ?みんなでたべたいんじゃわい」
「今、みんなで食べているでしょうに。まだ食べ足りてないんですか?持って来ましょうか?」

晦くんにあーんしてほしいんじゃわい。耳をうあ河うような言葉が朔間さんから飛び出てくる。ほんともう。あなたという人は。あきれるべきなのだろうか、どうしていいのかわかりません。

「しかたありませんね。朔間さん、口を開けてください。ぼくのケーキを上げましょう」
「晦くん。」
「これで問題ないでしょう?朔間の家ではないですし、朔間さんが作ったケーキは怖いので。調整役が作ってくれたケーキを食べさせることに不満でも?」

そう問いかけると、朔間さんはぼそっとお出かけという単語が零れ落ちた。ぼくは腹を据えて口を開く。

「わかりました。おでかけはしましょう。わかりましたので、早くケーキを食べてください。調整役がこちらを見て目を輝かせてますよ?ファーストバイトのようにたくさんの一口分を朔間さんにたべさせてあげましょうか?」
「##name_2##く…!!」

はっとして顔が一度だけ殺陣に揺れたのを見て、問答無用で朔間さんの口に突っ込みます。頷いてたので、否定はしてませんよ。拒否もされてないですしね。思いっきりの一口だったのだけれども、朔間さんはそれでも嬉しそうに平らげているのでのくはこんどのそのお出かけ。というのが不安になった。なにされるんでしょう。怖いですね




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