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教室を出ると、千秋が潜んでいた。っていうか、『流星隊』総出で俺を待ってた。いやいや、待て待て待て、今日は部活も集まりもレッスンもないだろ。待って、お前らなになの。忍以外も忍者やりはじめたの?そしたらもうそれは『流星隊』じゃないじゃん。いや、翠が死んだ目をしてるからたぶん、ヒーローもの諦めた訳じゃなさそうだ。

「有、屋台をやるぞ!!」
「うち、ヒーローユニットだろ!?」

おいこら、それだけ言って俺の首根っこを着かんでAV室に向かうぞ!じゃねえよ。千秋さんよォォオオオオ。俺の悲鳴だけが廊下に響いてるし一年三人とも、んで奏太も俺を拝むんじゃねえ。やめろ、哀れんだ目でこっちを見るな。そして、明星も拝むな。俺はぁぁあああ!!生きてるよ。土左衛門じゃないよ。うん。通りすがりの影片にもなんなん!?とか言われたけど、『流星隊』の慣例行事みたいなもんだから気にすんなと。引きずられながら俺は悲しみにうちひしがれる。歩き疲れた子どものように、ずられながら、AV室に突っ込まれると、千秋は教卓に立って、みんな集まってくれたな!とか満面の笑みを浮かべている。集めさせられたの間違いでね?

「これより来る『学院際』に向けて話し合いをするぞ!遠慮せず、じゃんじゃん発言してほしい。」
「忌憚なく言う。『流星隊』解散しよ!」
「先輩、忌憚無さすぎ」
「そんな後ろ向きなことはダメだぞ!有」
「部活にレッスンにうちの家の手伝いしてたら、勉強間に合わないんだって!!もう2ヶ月ぐらいしかないの!千秋!俺、どうしてもほしい資格があるって復帰してからずっといってるよな!」
「両立してこそヒーローだぞ!」

はーはー。そーですかそーですか。頭のなかぷっちーんって来たので俺は俺で千秋のびびるものを準備してやろうかと目論む。俺はにっこり笑って、千秋。と言えば、一年がざわつき始めた。それでも俺は気にせずに、笑って千秋の耳元で囁く。「揚げ茄子とお化けキャンディの売店にでもしてやろうか?」「有、それはだな」「俺の資格が両立できるんなら、千秋のそれも好きになれるか、どうかのお話なんだけどなー?」「わかった、有には一番好きなところを後で選んでくれ。」「それさえすぎたッらお前らの馬鹿話にでもなんでも付き合ってやるからよ。」にっこり俺と顔面蒼白千秋の出来上がり、一之瀬殿どうやったのでござるか!?と聞かれたが、俺は内職。いつかお前らも知るよ。となだめておく。

「何を発言してもいいんですか……?じゃあ、『学院際』に出るのはやめましょう」
「よく発言してくれたな!偉いぞ高峯!」
「だが、『流星隊』はキッチンカーを出店しますって生徒会に申請してしまったからな。出るのは絶対だぞ。」

キッチンカー?それで屋台と言ったのか。と自己で納得するが、車の手配だなんて、そろそろ申請しておかないとヤバイんじゃないかな。と脳裏で算盤を弾く。事前申請で安くはなったが、持ってくるには誰か代行を頼まねばならないだろう。ちなみに、とキッチンカーのレンタルは済ませてるのか?と聞くと、済ませてないときっぱり言われた。おい、千秋待てや。

「登録すませてないってどう言うことだ?はやく依頼を出しておけばそういうタイプは安くなるの知ってるよな?」
「有に頼もうと思っていた!」

いや、思っていたじゃなくて千秋くんよ!もっと早くに言ってたら活動費も倹約できるってのに、お前ってやつは!!千秋の胸ぐらをつかみ盛大に揺すってやると、止めるでござる!の忍ともっとやれ!たまにはひどい目に会えの翠と慌ててパニックになってる鉄虎のパターンに解れてて、気がすむまで揺すってから。俺とりあえず車の借りてくる手配するから、お前ら調理販売だけは絶対に譲らないからな!と念を押して俺はレンタカーショップに駆け込んで、ちょうど良さそうな車の配車と撤去の依頼と値切り交渉に走るのである。ちなみに親が移動するときによく使ってるレンタカー屋なので、話はすんなりと通ったのだ。とりあえず来年はお前らの好きなことやれと、1年生に期待するのであった。俺2年なのになんで頼んないのって?いや、俺は今年の必要な資格さえとっちまえばそのまま大学行けるし。ねぇ。車の交渉中に、わたあめとジュースを売るぞ!って連絡が来たので、とりあえず、飴玉からわたあめ作る機械をユニット費で買おう。と俺はさっさと決めて格安の殿堂に足を向けて機材を見てから、レンタルショップの見積もりも取りに行こうとか予定をさっさと決める。どうせ千秋の事だし、そのあたりの詳細も俺に全投げしてくるのだろう。ほんと、三毛縞に連れ出されてから、ろくなことねえな。とかため息一つ。そして、さっさと値段交渉しようかねぇ。とか思ってると俺がいなくなったあとの詳細が送られてきたのだが、生物却下、鉄虎の調理販売却下というか、鉄虎に火を扱わせるな。みんな料理経験ほぼほぼ皆無とかっていうので、強制的に俺が始終調理販売チームに入るのだった。おいこら、何かってに決めてんだよ。俺もう『流星隊』やだぁ……。っていうか、その時点で格安の殿堂にお世話になることほぼ決定じゃないっすか。もう、千秋……。ってか、飲み物のメニューだけ先に決めて連絡を送って来るな、バカ千秋!奏太、ミネラルウォーターはわかったがお前が被るようじゃないからな。鉄虎、お前のために、格安の殿堂でたくさん電池買うか、コンセント引くかするから安心しろ。翠諦めろ、忍頑張ってまとめてくれてありがとう、多分これ詳細をつついて聞き出すより、千秋に電話する方が早かった。ついでに見回りもやるぞ。って言われたのだけれど、あいつ海にでも沈めていい?俺7月ぐらいに高卒資格がとれるのかな。うーん、自信なくなってきた。っていうか、問い詰めたんだけど。千秋に。不良に絡まれるスタント役がほしかったんだって。あ、いいよ。それぐらい。家よりもなんもないスタントなら全然オッケー、むしろそっちのがありがたいかも。っていうか、それの特訓と殺陣のふりとかいいだしてるから、やっぱりあいつ噴水にでも沈める。あ、不良役が千秋じゃない?ならめんどくさくないからいいよ。
俺つられやすいね。なんでもいいけど、勉強して7月の資格が合格したらね。



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