俺とスカウト!荒野のガンマン 1 





学校が終わって予定のない放課後、どっか空いてる教室でも借りて、振りの原案でもしてみるかと思っていると、天祥院が声をかけてきた。なんだ、なんだと思っていると、どうやら暇なものを集めて遊びに行こうとするらしい。青葉お前もどうだ。なんて蓮巳に言われるんだから、雨でも降るんじゃねえかとか思ったが、思惑は他所にあるらしい。隣クラスよりマシな自由人たちを管理してほしい。。だそうだ。面子を聞くと天祥院、羽風、守沢瀬名に斎宮。……ほんとに斎宮が行くと言い出したと思えないのだが。おそらく天祥院と斎宮の面倒を見ろと言うことだろうか、教室の違う場所でお嬢さんに向かって、私のかわいいとかいいだしてるので、100%脅し入りが入ってる。それだけを察する時点で頭がいたい。三毛縞にでも頼めとか思ったが、どうも別件のよう時があるようだ。まぁ、あいつは完全独自の世界で成り立ってる部分もあるのである意味面倒で俺に頼んでない?蓮巳。

「つむぎをまた『fine』にいれようか」
「糞みたいな冗談言ってっと叩き潰すぞ天祥院。財団だけがこの世のなか全部じゃねえぞ?あぁ?」
「あぁ怖い怖い、二度も噂になるような天下人がそんな形相してると、信者が減るよ?」
「俺はもう救いの子でも何でもねえよ。」

ぎろり。そんな効果音が付き添うなほどにらんでやると、天祥院は軽く笑ってそんな面倒なことはしなけどね。とおいてくる辺りが腹立たしい。蓮巳には悪いが断ろう。そう判断した瞬間に今度のS2優先出場とかちらつかせてくるから、誠に遺憾だ。とりあえず俺は、ごねにごねてS2は要らないから今度俺の企画を問答無用で通せとごりおすことに成功し、とりあえずお前らと極力御一緒したくないので、ゆっくりあるいて現地で落ち合うと約束をしようとか思ったら天祥院が車相乗りさせてくれるってよ。こわいわ。ロールスロイスとか乗るのいつぶりだろうな。とか一瞬考えたけど怖い怖い。車に全員が乗れないからと、蓮巳天祥院と俺の車組と徒歩組に別れて移動するらしい。天祥院と蓮巳に睨まれながら、車に乗るとか息つまってまうわ。とか口が裂けても言えないので押し黙る。
ほらいくぞ。と蓮巳が肩を貸してくれるので、それに捕まりながら学校を出ると校門真横におかれた車に乗る。
車に乗るとすぐに天祥院はどこかに連絡をいれていたが、問い合わせるとはぐらかされた。
天祥院と蓮巳にさっきの約束の詳細を聞かれたので、俺一人の返礼祭の話を言うと、お前のところは誰もいないもんな。そもそもそういうドリフェスにもほぼほぼ出れないようにしたのはこちらだし、それぐらいは容認しよう。と生徒会の許可も降りる頃には目的地に到着する。ゲーセンとか昔は空き時間によく来てたが、事故をおこしてから足が遠くなってしまった。普通に歩けてるなら、今も変わらず来てたのだろう。ほら、踊るやつ。最新版出てるらしいんだけどなぁ、俺たちが一番最初に到着したらしい、ジュースを買って手近な椅子に腰掛けながら、徒歩組を待つ。5分ほどして歩き組、瀬名羽風守沢斎宮がやってきた。そろそろ飲み急ごうと羽風の声色が上がった。「転校生ちゃ〜ん、こっちこっち!ようこそ、ゲームセンターへ」テンションの上がった羽風の声を聴いて盛大にジュースが気道に入り込んでしまった。

「汚いぞ。」
「わり、蓮巳。」

ごほごほむせてると、転校生がこっちに視線を向けてきた。うーん。色濃すぎて俺もあいつらどうにもできねえっての。特に斎宮と瀬名。ほかは何とかできると思うけど、この二大巨頭と生徒会は無理。隣の蓮巳は「改めてみると、転校生に対して当たりがきついか、怖がられている面子ばかりが集まってるなA組は。」とかいうから、天祥院と二人でお前もはいってんぞ。天祥院と笑っておく。ぎろりと睨まれたがお前も含まれてるぞ天祥院。俺ぐらいだよなー。あんずに無害なのーと笑ってれば。お前が言うな。とクラス全員から突っ込まれるのだが……なんで?俺あんずに辛く当たった覚えもないし、むしろ一緒に仕事してることも多いのになんで!?おいこら、やっかみだろ。

「なんでもかんでも僕が裏から糸を引いてると思われるのは心外だよ敬人。ちょっと考えてることがあってね、『仕事を頼みたい』って言って呼び出しただけだよ」
「悪意籠ってるじゃねえかよ。そのために走ってこさせたのかよ。」

あんず。蓋の開けてない水だからのんどけ。とほいっと投げつけるとありがとうございます。と頭を下げて一気に水を飲み干した。うん。そういうところ俺は好きだぞ。男らしいよなぁ。とかうんうんうなずきながら、賑やかな一団を見る。うーん。俺が事故の前ってどうだったかなぁ、と思いながら賑やかな姿は、きっとあいつらが革命を起こしたからこその結果なんだろうなぁ。と思うと正直複雑だ。

「あぁ嬉しいっ、男だらけの草木も生えぬ荒野に一輪の花が咲いたよ!転校生ちゃん、おいでおいで!近くにおいで〜おにいさんと遊ぼう!」
「ゆらぎ先輩助けてー!」
「暴れんな暴れんな。」

ただでさえバランスとりにくいんだからな。といいつつ羽風をけん制しておく。あんずに斎宮の後ろにしとけ。あれなら対処してくれるから。と指示を出すとさっさと移動した。ほら、俺言ってもいいだろ!これが俺の人徳だよ!今まで俺が培ったスキル!……いや、言っててちょっと俺がダメージ受けそう。人を扇動させることはよくやってたけど、うーん。なんだかなあ。嫌われると困るもんね、と言いつつ瀬名に頭をはたかれてる。守沢がそういうのはよくないぞ。と力説してるが羽風にはどこ吹く風だ。俺はなんかしにいこうかな。と考えてると、蓮巳が俺を呼んだ。

「青葉収集をつけろ」
「なんでだよ。天祥院なんとかしろよ、生徒会だろ?」
「あはは、良いじゃないか。ゲーセンではしゃぐって高校生っぽいしね。みんな素の部分が買い魔見られて興味深いし楽しいよ。」
「へーへー、んじゃ俺やりたいやつやってくるー」
「おい、青葉。」
「転校生いるなら大体何とかなるよ。あんず、どうしょーもないときは俺にかけて来い。全員刺しでぶっ潰してやる。」
「わかりました!」
「言ってることとやってることのつじつまが合ってない。」

大丈夫だって、ああ見えて全員『プロデューサー』が駄目って言われると従うから平気だよ。へらっと逃げると、プライベートだしな。自由気ままにふるまうなよ。青葉も転校生も来い。とか言いつつ立ち上がった俺の耳を掴んで端っこに寄る。痛い痛い!俺まだ杖ないとだめなんだからな!と大声を上げるとそうだったと言われて俺杖を突いてないほうの腕を掴んだ。

「青葉には言っているが、こいつらのおもり。を頼まれて欲しい。ほかの暇人と違って、俺は用事があるので早々に退散せねばならんのだ。」
「用事ってなんだい?敬人。生徒会の業務なら僕も同行すべきだよね?」
「野暮用だ、貴様は気にせず平和に楽しんでいればいい英智。ともあれ、B組に比べればまだましだが、A組もなかなかの際物ぞろいだからなあ。誰かが見張っていないと何をやらかすかわからん。難しいだろうが、貴様が統制を取ってほしい。」
「がんばれーあんず。」
「お前もだ青葉。何かあったら連絡しろ、可及的速やかに俺が駆けつけて対処する。苦労をかけてすまんがどうかよろしく頼む。転校生」

青葉お前は取引しただろ。と言われて、そうだった。と思い出す。まぁ、三奇人さえいなければある程度何とかなるだろう。斎宮はクロワッサンで釣る。それだけだし、ほかは話が通じる。ぼんやりと誰を巻き込んで問題を減らすかと考えていると、あんずが蓮巳にどうして私が呼ばれたんですか?と首を傾げる。蓮巳が最後になにかをいってから、大変だろうが、阿呆どもの子守りをよろしく頼む。とだけ残して出かけて行った。
守沢が送っていこうか、と言う申し出も断ってさっさと出て行った。まぁ、あいつの遍歴をしってるのでまぁ暴力事にもある程度なれてるだろうよ。と俺はそっと心の仲でつぶやいた。

「どうしたどうした、天祥院に転校生!と青葉…………略して……」
「詰まるぐらいなら、俺抜けば?」
「テンテンコンビ!うぃず青葉!」

守沢の能天気な声に、転校生は呆れて座り込んだ。俺はあんずの腕を掴んで近くの椅子に誘導する。追加の水いる?と聞くがそのまま首を振られた。お構いなく、僕たちはちょっと休憩してるから君たちは好きに楽しみなさい、集中しないと怪我するよ、たとえゲームだってね。ゆらぎも行っておいでよ。つむぎからゆらぎはよくゲーセンに行ってたと聞いてるよ。

「そうなのか、ゆらぎ!」
「いや、まぁ嗜む程度にしてたけど…。」
「行くぞ!ゆらぎ!俺に掴まれ!」
「え。あ。ちょっ、守沢!」

俺の腕を掴んで俺は引きずられるように連れ出される。息切れしたあんずは俺たちに手を振ってるのが見えたが、ちょっと待て痛い!腕もげる!!!



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