俺と春風 アイコニックなブックフェア 2 





楽器を軽音部から楽器を回収するために軽音部部室に入ると、一年生二人と大神がいた。ユニット振り付けやらしていた関連で大神はわかるが、隣の一年はどこの子だと思いつつ俺は大神にといかけた。

「朔間いる?」
「居ないッスけど。青葉先輩どうしたんスか?」
「うちの部活で使ってた楽器を借りにきたんだけど。どこにおいてるか知ってる?二番目に大きな箱の楽器を使う予定ができたんだ。」

そんなことを伝えると、あれっすか。持ってくるんで座って待っててください。と部室の奥に消えていった。俺と一年生が二人いる部屋で椅子を探す。視線が動くのに気づいたのか、それとも俺の杖に意識が行ったのか二人のうちの一人が椅子ですと差し出してくれた。礼を言って俺はそこに腰を掛ける。

「三年生ですよね、軽音部の人ですか?」
「いんや、民族文化研究部なんだけどさ。今一人しか居なくて。」

生徒会に部室を持ってかれたんだけど。部費やら活動費でかった楽器はここに頼んで置かせてもらってるんだ。いずれ楽器も生徒会に行くんだろうなぁ。せっかく高いやつ買ったのに、とかぼやいていると、あ。あの先輩だ!と一人が言い出した。あれ?二人して同じ顔なの?と人を覚えることが苦手な俺は、同じ顔を見ながら首をかしげる。

「去年事故した先輩?」
「そうだけどさ。」
「アニキ、もうちょっと言い方とか。」
「…アニキ?んと、お前ら兄弟なの?」

え?これだけ似ててそう思ってくれないの?!と言われて、まぁ身近に血のつながってないのにとても似てる兄弟がいるからだと理解した。携帯を取り出して、手近な所に置いてあるつむぎくんと俺の二人で写ってる写真を二人に見せる。比較的最近のものだ。つむぎくんがメッシュを入れた頃なので髪よりも青いメッシュがよく見える。「血のつながってない兄と弟」言葉とあわせて俺は指を指すとうそー。と言われたが嘘じゃない。

「俺、青葉ゆらぎ。お前らは?」
「葵ひなた!こっちは弟のゆうたくん!よろしくね!青葉先輩!」

弟も青葉だし、ゆらぎでいいよ。ややこしいから、みどりとぴんくな!うん全然話聞いてくれてない!こりゃだめだーとコミカルに動いてみどりとぴんくが両手を上げて後ろにのけぞった。そんな息のそろった二人を見ていると、大神が大きな箱を持ってやってきた。机の上に置いてくれるので、俺は中身を確認するために箱を開ける箱に興味を持ったのか、みどりとぴんくが俺の横でなかを覗く。

「わぁ、サックスだ!」
「これでいいのか?」
「あんがと、この部屋、防音とかいける部屋だよな?」
「そう、っすけど。」

そう大神と話をしながらリードを口にして、そのまま楽器を持ち上げてネックストラップを掛ける。椅子に座ってからリードをつけて、独特の音が鳴る。久々だけどいけるな。とか思いつつ、少し音を出してから、軽く音を出す。

「うわ!すいすい吹いてるぅ!」
「大神歌え。」
「はぁ!?」

俺は何度か聞き覚えのある『UNDEAD』の楽曲を吹く。一音だけだが、木管楽器の音がよく似合う。あまり『UNDEAD』らしくないしっとりしている感じの楽曲にうねりを持たせながら吹いてみると、大神も言われた通りに軽く歌っている。聞き慣れているのか、みどりとぴんくも一緒に踊っている。一曲を吹ききると、多重録音で聞きたいね。とみどりとぴんくが言い出すので俺はすぐに手配を初める。携帯で部屋を予約する。みどりとぴんくと大神に手伝ってもらって楽器を四つ録音室に運びこむ。三人にはジュースを一人あたり2本おごっておく。俺は急遽録音を開始する。楽曲?決まってるだろブックフェア用だ。とりあえず大神とみどりぴんくの三人を外側に置いて、俺は録音ブースでさっさと録音を開始する。鳴上からCDを借りているので問題なく音は大体覚えた。一閥の時に多重録音で一曲とか二曲とかやったことあるので手早く録音してアレンジするためにみどりとぴんくに録音ボタンを押してもらうように頼む。楽器一つ分録音して、ブースを出て頭をあわせて次の楽器と持ち替えて録音を進めていくのだった。




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